2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

氷雪の女王 グイン・サーガ外伝④

妖魅の巷ルードの森に忽然と現れ、おりしもモンゴール軍に追われていたパロの聖双生児リンダとレムスを助けてアルゴスへ送り届けた豹頭の超戦士グイン。しかし、決戦のときを迎えてアルゴスを出陣せんとするリンダとレムスにグインは別れを告げた。彼にはル…

夢見るレンタル・ドール 色の章

恋人同士でありながら、肉体の交わりを持たない。少女の倒錯の蕾は、今、大きく花開こうとしているのだった。 (帯より) 私は、相手の性別がどうこうより、Sな想像をしなければ抜けない体質であります。(経験がないまま年を重ねて妄想が固着してしまった)で…

蜃気楼の少女 グイン・サーガ外伝16

シルヴィア救出を果たしたグイン達は、キタイを脱出しノスフェラスへと足を踏み入れた。そこでグインを待っていたのは、蜃気楼の娘という、さまよえる古代の亡霊だった。その怨念に捕らえられたグインが目にしたもの、それは隆盛を極めた在りし日の古代帝国…

いつか偏見をひっくり返せる日がくるか

ま〜人間好きにできないことがあります。同性愛者だったり、ロリだったり、快楽殺人者だったり、精神病にかかったり。世間で白目で見られる性質が自分に備わっている。知られる前と知られた後で、何一つ変わっていないのに、以前と同じ付き合いはされない。…

資料がない

昨日の予告は、更新の自信はないがフォローの意味ではずせませんでした。しかし、気がすすまなかった予感が的中し、書こうと思っていた資料がありません。説得力がなくなるので、また来週にします。 あなたには、人生に当たりはずれがある、などということを…

障碍が常用漢字になるといいのに

「新常用漢字(仮称)パブリックコメント募集中」(http://slashdot.jp/article.pl?sid=09/03/17/070201)だそうです。最近、障害者は障がいと書かれることが多い。しかし、「障がい」と書かれると、なんな読みづらい。見慣れない「ひらがな+漢字」で書かれる…

耽美なわしら1

綾子は人間関係におけるちょっとしたミスで、その助っ人を失っていたのだ。と言っても、べつに悪いことをしたわけではない。酔った勢いで、自分が同性愛者であることを告白してしまっただけである。いきなり襲いかかったならまだしも、カミングアウトしただ…

意見はどの程度受け入れられたいか

「非属の才能」で山田怜司は他人とうまくやっている非属の人の例として、さかなクンを挙げた。自分の世界が他人に受け入れられるものだったら、いい。自分の世界をいかに受け入れられるか工夫する人生もいいかも。ところで、私は論理の飛躍をほほえましく思…

あなたは寂しいんですねと言われてうなづかずにいられるか

他人のいうこととは関係なく、自分の意見を持って“自分だけの世界”に閉じこもれば、当然孤独が待っている。(中略) 日本人は孤独に弱い。ものを考える人間は特に。だから“自分の頭でものを考える”は、すぐに“救済を求める”に行ってしまう。 宗教なんかこわく…

非属の才能

彼女らの会話では、「だよねー」「てゆうか」で安直な同意と強引な話題の切り替えがくり返され、「やってらんないよね」という空気さえ崩さなければ、相手の話なんて聞いていなくてもかまわないのだ。ましてや、「あなたはいまこんなこと言っているけれど、本当は…

西の善き魔女1

フィリエルの手をつかむと、マリエはワレット村を抜けて一歩を踏み出した。慣れない数杯のアルコールも、実のところはかなり二人に力を与えていた。 北の荒野に住む少女が伯爵家の舞踏会へ行く。会当日に渡された首飾りは失踪した王女のものであり、少女は女…

幽霊船 グイン・サーガ外伝③

16歳のイシュトヴァーンは、博打のいさかいからヴァラキア公弟オリー・トレヴァンの怒りを買い、窮地の≪オルニウス≫号船長カメロンのもとに逃げ込んだ。だが、≪オルニウス≫号は、今しも“幽霊船”のなぞを追って出港するところだった!半年前から原因不明のま…

惑星のさみだれ

宮崎の凶行というのは、一言で言ってしまえば、「かわいいから首を絞めた」だけど、これは「文章」になっていて、でもその中になんにもない。「可愛い」と「首を絞める」の間にはもっといろんなものがつまっているはずなんだけど、でもそれが全部落っこちている…

イリスの石 グイン・サーガ外伝②

生き倒れとなった吟遊詩人のマリウスは、不思議な人物に助け起こされた。気を失う前に彼が見たものはたくましい肉体、そして豹の顔―豹頭人身の超戦士グインが彼を助けたのだった。二人はケイロニアを目指して赤い街道を行くが、やがて道に迷い奇怪な都へたど…

七人の魔道師 グイン・サーガ外伝①

幾多の冒険をへた後、いまはケイロニア王となった豹頭の戦士グイン。だが、数奇なる運命の糸に導かれる彼には、平穏な日々の訪れることはなかった。邪悪なるものの影は、まず恐るべき悪疫の姿をとって七つの丘なすケイロニアの都サイロンを襲った。そしてグ…

‘89

ただ大人になると、「自分だってはっきりしない、外側だってそうそうはっきりしてるものじゃない」なんてことが分かるから、そうそう簡単に「一般的見解」なんてものに従わない。そのかわり黙って、寡黙なまんま、現実の中で押し流されてく。押し流されても…

ヴァラキアの少年 グイン・サーガ外伝⑥

こぶしで横殴りに目をこすってつぶやいた。 「どうして―あいつらは、姉貴といい弟といい、ああ頓狂なんだ?どうして、おいらと、こんなにちがうんだよ―どうして……」 最初短編で仕上がる予定だった話なので、少し間延びしている。前半・中盤ともうちょっと凝…

‘89

男は「女という他者」にめぐり合う以前に、「自分とは違う男という他者」に巡り会ってなんかいない。(省略) 仲間社会の最大基準は「同質」ということであって、だからこそ仲間社会の最大のタブーは「異質」なのだ。だから、仲間社会の最高の愛情とは、「その異質…

十六歳の肖像 グイン・サーガ外伝⑦

地位も富も栄誉も現世限りのもの、愛も幸福も同じく―それらは多分、あるものはすでに私はもっているし、あるものは一生手に入るまい。またあるものはそのうち訪れてくるだろう。私はすでにもっているものをこれ以上望むつもりも、手に入らぬものを求めてあが…

冴子の東京物語

夢枕獏が解説に書いているが、豊かな感情と、それを外から眺める冷静さの按配がうまい。独白への突込みがいらず、人生の一幕に安心して笑うことができる。この本は中学1年生のときに集英社夏の百冊を5000円分買い込んだ中の一冊である。読んだのは10年以上前…

アイデアのちから

記憶にアイデアを焼き付けるための原則を6つ紹介している。イスラエルの優れた広告を200点集めたが広告の89%は6つの型に分類できることがわかったそうである。アイデアを記憶に焼きつける方法は学べば身に付く、というのがこの本の方針だ。確かに忘れにくい…

いま私たちが考えるべきこと

「私たち」と「私」の関係から始まるこの本は、自分と他人との関係をどのように考えているかを問う本であり、主題的にはとっつきやすい本であった。 大体「オタク」の見解って、「極端な一般的見解」だものね。(省略)自分の作った「想像上の一般的見解」の上に、「………

宮脇檀の「いい家」の本

ことによると今の日本の男たちは会社に住んでいて家に通勤しているのかもしれない。 都会に住みたい(郊外はいや)とか、実際子どもが出来るかどうかは未知数だが、子ども部屋はベットとタンスだけの3畳にする、という刷り込みは宮脇檀によってなされたのだと…

痛快!憲法学

そもそも人権というのは、万人に平等に与えられるもの。人間でありさえすれば、誰にでも無条件に与えられるというのが人権の概念です。然るに、「少年の人権」とは誤用もはなはだしい。子どもだけに認められ、大人には認められない権利があるとしたら、それ…

農協の大罪

現在、海外の米の値段が上がったことから、内外価格差は大幅に縮小している。減反で維持されている国産米の価格は60キログラム当たり1万4000円。それに対して、輸入されている中国産米は1万円だ。すでに800%もの高い関税など必要なくなっている。50%もあれ…

木に学べ 法隆寺・薬師寺の美

揃えてしまうということは、きれいかもしれませんが、無理を強いるということですな。木には強いのも弱いのもあります。それをみんな同じように考えている。昔の人は木の強いやつ、弱いやつをちゃんと考えて、それによって形を変え、使う場所を考えていたん…

センギョウシュフを雇いたかった

私の夢はセンギョウシュフを雇うことでした。しかし今の給料は、毎年5000円ずつ昇給するとして、手取り20万になるのが30代半ば。今のご時世順調に昇給するわけもなく、年収400万ないと、結婚も難しいらしいじゃないですか、ラインです。で、一発逆転を狙いた…

非常識な成功方法

「お伺いしてご説明できることもできますが、ご質問をご希望されますか?」 大切なポイントは「○○を希望するかしないか」というように、二者択一の質問をすることである。なぜなら、営業マンが最終目標としているのは、お客から「ええお願いします」という言…

封仙娘娘追宝録 天を決する大団円(下)

宝貝の集団である。問題解決の方法がはっきりしているのならば、わざわざ街道をちんたら歩いたりはしていない。 和穂が抜けることが、こんなに痛いとは思わなかった。宝具の連中は淡々としているので、話が盛り上がらないのである。今回もあっと思う、JOJOの…

翻訳家という楽天家たち

原稿は当初は手書きだったが、途中からワープロに変わって、ぼくはときどき話の筋を忘れた。あれ、この女、だれだっけ、とか、この男、死んだはずなのに生きているぜ、とか、まあ、半分冗談だけど、あながち嘘でもない。 この本は「本の雑誌」に連載されたエ…