2009-01-01から1年間の記事一覧

ブラッドジャケット

サイバーパンク!エリクサーで損傷した死体がくっつき、騒音を聞かせないと悪霊に憑かれて死体が動き出す。意志薄弱な主人公はどこかで野垂れ死ぬ小市民の星の下に生まれてたはずなのに、歯車がくるって血塗られた道に墜ちる。(板に付いた小市民ぶりはしか…

なぜ私だけが苦しむのか(その2)

ブラッドジャケットのテーマは神に関することです。通常思われる神と違うような気がするし、同じもののような気もする。作者の神観が気になるかな。で、「なぜ私だけが苦しむのか」ですけど、神問題です。クシュナーは神が全知全能であるとは考えていない。…

なぜ私だけが苦しむのか 現代のヨブ記(その1)

私の人生において記憶に残るクラスの本。今年一番の収穫だ。私は10年間で自殺率10%の不治の病に冒されている。(←医者が書いているからそんなもんかと思っているぐらいの根拠度。不治はガチ)日本人なら6割以上の人が死んだほうがましと思うだろう症状…

猫鬼 カナリア・ファイル

夏水の告白を聞いた時、有王は深い喜びを噛み締めた。わが子を七年間も放置した無責任な父親にはなりたくなかったのだ。 主人公に隠し子発覚?の短編のほうでは、おおっ、死にそうな人にも瑕疵があって、そこんとこ実は…がなくてちょっと新鮮です。でも、第…

なぜ、占い師は信用されるのか

一瞬で打ち解けたムードを作るテクニックを読むと、笑ってしまう。良い意味で。たしかにこう考えると身構えない。ここだけ立ち読みするのもあり。相手のまねをするのは古い、といわれると、どんなものか気になりません?占い師のテクニックってとても面白い…

世界屠畜紀行

世界各地の屠殺現場のレポート。世界各地には差別される所あり、みな当たり前にできるところあり、尊敬される所あり、だんだん屠殺が日常でなくなってきたところあり、である。一冊の本の連載も楽しみにしている作者の語り口は安定しています。屠殺する人っ…

ロードス島伝説5

心まで裸になれる女がいるということを、ベルドは初めて知った。愛しているとかではなく、とにかく自分の女にしたいと思う。そのためなら、望むものをくれてやるのが、男というものであろう。この呪われた島が望みだというなら征服するし、魔神王の首が欲し…

ボーナス

ボーナスから書籍費に5万つぎ込む。いや、2万の仕事の本×2なんだけど、隣りの家の少女も買ったし、森奈津子や宮台真司の新刊も買ったし、ふっふっふ。ボーナスも別に平均の半分強ぐらいなもんだけど、家賃をのぞいたひと月の生活費、8万が基本だと大金で…

華の皇宮物語 帝の花嫁

いや〜面白かったです。何が一番心に残ったって、皇帝が初夜の練習を南極一号でするところ(笑)普通年を取った女官じゃないのかな。という突込みをしてはいけない。童貞、処女で結婚するのが一番幸せ…なのか。とにかく、後宮であっても結ばれるのは心が通い…

紫色のクオリア

人間がロボットに見える、という子の友達が主人公です。うん、そこからのスタートでこうも話が膨らむとは。平行世界で生きることができる。あらゆる可能性を自分の身に受け入れることができるってどんなことか想像しかけて止める。考える前提が破天荒すぎて…

384,403km あなたを月にさらったら

エロ文庫、ティアラ文庫です。ティアラ文庫は3冊目です。3冊読んで、エロで抜けないのは仕様か、とゆ〜感じです。でも、フランス文庫と比べて悪かった。3冊読んで、ティアラ文庫にはティアラ文庫の目指すところがあるのかも。それは心地よいものです。いくら…

傀儡師 カナリアファイル

前作・金蚕蠱の出来が良かったのでちょっとどきどきしながらページをめくる(http://d.hatena.ne.jp/akizu/20090913/1252847002)おいら、この作者のまなざしが好きだぴょン。愛だ勇気だと真面目に言うには疲れてしまって、でも、そんなことを言う大切さも知…

Landoreaal ランドリオール 15

「騎士道は浮かれた理想主義とナルシズムでできている」「君は報われない幸せを知らない」 主人公の友人と、後ろのが主人公のせりふ。主人公は王位継承権第4位(だったけな?)で、貧困街出身の友人との付き合い方を他の友人に突っ込まれています。貴族の主…

帝国ホテル厨房物語

専門学校講師の母から電話がかかってきた。今まで2時間卒業生の仕事を辞めたいと言う話を聞いていたそうだ。最近私と同時期に入社した人のこういう相談を受けることが多いらしい。そんなこと言われたって私も転職したいし。私は究めたいのである。しかし、…

魔法先生ネギま! 1〜27

くまさんパンツと女の子の裸の1巻が面白くなくてどうにも読み進められなかったのだが、だんだん少年漫画っぽくなってきて燃える。一番心に残ったのは自称、未来からやってきた子に対する抵抗の論理の構築だろう。未来から来た子は魔法の存在をばらそうとする…

いたいけな主人

条件その二。私が見ていないところでは、しない。私は、ひかるちゃんに、嗅いでほしいの。ひとりで隠している人じゃなくて。条件その三。したいときは、ちゃんと口で言って。おねだり、するの。条件その四。もし、こっそり知っちゃったときは、すぐに私に言…

青い花 1〜4

少女コミックを読まないので、この恋愛が異性愛と比べてどうこうというのは分からなかったが、一読した感想は女の子って難しい、でありました。表現方法が直線的じゃないというか。スパッと割り切れと思った。もっともこれは女の子同士云々じゃなくて、森奈…

NHK連続テレビ小説 つばさ 下

私の行動原理は、変えられないものを受け入れる冷静さと、変えることのできるものは変えられる勇気を(http://d.hatena.ne.jp/akizu/20081214/t)な、どんどんイケイケである。自己中で周りのことを考えていないことを少々気にしている。周りが望んでいない…

結界師25

実は兄ちゃんにあこがれている私は、兄ちゃんの出番が多くて満足です。やっぱり男は背中で語りたいぜ主人公が修行中で盛り上がらないぶん、兄ちゃんが嵌められるのにどきどきして、おなかいっぱい。安心して楽しめる漫画に昇格。結界師 25 田辺イエロウ 小…

月光条例 6

借りてきた漫画を兄弟でその辺に寝そべって読んでたわけですが、おい、こら、話しかけるな。泣いているのがばれるじゃないか。 「<読み手>は、何も知らないんだね。あんたたちはおひさまを他のあかりとまちがえないでしょ」「太陽なのよ」 のあたりで、信…

SOUL EATER 15

ふっ、クライマックスだけ見ても白けただけだったぜ。失敗。でも、最後のひとコマはわくわくしますね。ソウルが魔女の魂を食べようとするところで終わっていて、普通、そこで切るか、みたいな。何かが起こる予感がひしひしとします。順調にデスサイズになっ…

ぬらりひょんの孫 7

土曜日に歯医者に言ったんですけど、そのときにジャンプでチェックしたのが、BLEACH、NARUTO、ワンピース、リボーンとぬらりひょんの孫でした。ぬらりひょんの孫いいですね。も〜私はぬらりひょんの孫を読んでいると、日本て平和だなって実感し、顔がへらへ…

NHK連続テレビ小説 つばさ 上

ペトロニウスさんとLDさんのラジオを聴いています。よく二時間も話すねたがあるな。私にはとても無理です。お二方はともかく、私にも何か言うべきことがあるときもある。私は頭がそんなに良くないので、話と話の比較から言葉をつむぎだす。何と何を比較する…

最強M伝説

森奈津子の雑誌「小説宝石」掲載のエロ小説が良かった。肝心の場面はさらっと流されていて、実用性はあんまりない。でも、「(オナニーの)邪魔です」(うろ覚え)と邪険にされても、思いは募る、そんな感じが、読んで、ほわわんと胸が温かくなる。そこで無…

「現場」学者中国を行く

「上海市内でタクシーに乗ると、非接触型ICカードによって料金が支払われる。さらに、そのICカードが路線バス、地下鉄、モノレールなど今日今日交通機関全体で利用できる」2003年に書かれた本で、その時点で、上海ものすごく進んでいるじゃん。それから中国…

国境なき弁護士たち 知られざる国際弁護士の光と影

日本側が契約条件に違反したからといって、スペイン側はただちに契約を解除するわけではない。ただ、契約違反の状況を作り出し、いざとなればいつでも解除できるオプションを確保しておく。契約が自分の利益に合致する場合は些細な契約違反は放置しておけば…

地下室の手記

主人公はとにかく、うにょうにょ一人相撲ばっかりしている。シュミレーションをするのは大事なことである。でも、ぐちょぐちょ人の気にしていないことを独りで抱え込むことも多い。主人公は私だ、みたいな。だけど、私は最近、人は違うことを考えているから…

生きている人と死んだ人

むかし私は朝ごとに入念に変装してわが家を出るのを常とした。その日の天気にもよるが三時間近くかかった。(省略)私はしばしば女になる犬になる草や木になるくらいだから、かえって尋常の人になるには時間がかかるのだ。(省略)ついでに私は半ば死んだ人だ、…

詐欺師のすべて

詐欺のやり方が並べられている。1999年に書かれた本だが、オレオレ詐欺の萌芽がみられる。欲を持ったらだまされる。コンプレックスと正面きって付き合う必要性を感じる。私は投信してみたいため、そっちの儲け話にご用心だな。と、ちょっと自分の弱点を再確…

チャペックの犬と猫のお話

私が求める本は、私のものの見方と違う見方をこれもありだなと思わせてくれる本だ。私が関係ないと思っていた事実と事実とつなぎ合わせ、その関係を示す。再現性があるかどうかは分からなくていい、とっぴなことを有りうるかもしれないと思わせたら、作者の…