ブラッドジャケット

サイバーパンク!エリクサーで損傷した死体がくっつき、騒音を聞かせないと悪霊に憑かれて死体が動き出す。

意志薄弱な主人公はどこかで野垂れ死ぬ小市民の星の下に生まれてたはずなのに、歯車がくるって血塗られた道に墜ちる。

(板に付いた小市民ぶりはしかし、読んでページを飛ばそうとは思わない味がある。)

やる気がないくせして、とは思うが、そういう状況が重なればと、納得する。

伏線なんて全然ない。クライマックスなんて唐突に過ぎるような気がするが、そーゆーことがあればそういうことが起こることもありか。強引なようで作風に自然となじんでいる。

先のことがちらと書かれていて、主人公の話としてはきれいに終わっているが、その世界にもっと浸っていられたら。そのクライマックスはオチは考えられているんじゃないかと思う。

続きが読みたい。答えを別の作品に書いていないかな。

ブラッドジャケット 古橋秀之 電撃文庫 1997