七人の魔道師 グイン・サーガ外伝①

幾多の冒険をへた後、いまはケイロニア王となった豹頭の戦士グイン。だが、数奇なる運命の糸に導かれる彼には、平穏な日々の訪れることはなかった。邪悪なるものの影は、まず恐るべき悪疫の姿をとって七つの丘なすケイロニアの都サイロンを襲った。そしてグインは、その危機を打開すべく魔道師イェライシャのもとを訪れたが―(裏表紙より)<< 
ちょっと中だるみしてないか、と思いながら読み進めるうちに、長めのエピソードが何人もいる魔道師の名前と外見、性格を一致させた。

前回に引き続き、長めの文章がその後の話の流れに無駄となることなく配置されていることが分かった。作者の頭の中だけでつじつまが合うことになっていないのは、さすがプロ、と唸る。

魔道師達がシュールなくせに、間が抜けていて人間くさい。その落差が、なんとなく、絵で書いたようなものはなかなかないことを感じさせ、とっぴなことが起こるのにリアルだった。

七人の魔道師 グイン・サーガ外伝① 栗本薫 ハヤカワ文庫