おそめ

おそめ―伝説の銀座マダム (新潮文庫)

おそめ―伝説の銀座マダム (新潮文庫)

楽な人生はないのだな、と少し励まされた。

昭和30年代、京都と東京に店を持ち、週に何回かづつ店に顔を出すために飛行機で往復した銀座マダムの話である。

石炭問屋の娘に生まれたが、母が家と確執を起こし、母と一緒に家を出る。

芸妓はんとして修業して、対応は上手いし、酒は強いし、人気者になるが、天真爛漫で裏を読めない性格であった。

ひかれた人を愛することはできず、俊藤浩滋(のちの映画監督)と一緒になるが、俊藤には妻子がおり(知らされていなかった)、無職の俊藤とその妻子のためにお金を稼ぐ日々であった。

結局俊藤とは最後まで連れそうが、隆盛を誇ったバーも閉店して、と色々あるのでございました。


なんか、慰められた。楽な人生はない!

監督はお染さんの不動産は自分のものにするし、40代で成功するまでただのぷーだし、成功しても下の世話をお染さんにさせて、店の世話を疎かにさせるし、お染さんの側に立った話だがろくでもない男だ。

自分が成功してもお染さんを捨てなかったので、偽りの愛というわけでもなさそうだが。

時代の流れで、マダムを売りにした店は凋落する。諸行無常

時代が流れて、不変のものはない。

私が変えることのできるものはあるんだろうか。

私が残せるものはあるんだろうか。

家族とか、まあ身近なところであったら楽なんだろうとは思うが、楽な道にはならないというか、

はあ、仕事を逃げ道にするには、私、できない奴だしなー

と、先輩に「秋津はちゃんとした農業指導員になれるでしょうか」と尋ねたら

「課題がはっきりしているので、そこを直せば」と返されて、

シャッキリ、シャッキリ、頑張りますです、なのだが、あああ、今日もJAとの調整がぁーとかあると、憂鬱入るのであった。

難しい一山は越えたけど。

お金を稼ぐって大変です。