昭和東京ものがたり2
- 作者: 山本七平
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2010/03/02
- メディア: 文庫
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七平はやっぱり面白いわ。
個人の思い出がどれほど当てになるかは分からないと思ったが、ちゃんと戦後忘れられた事実を掘り出しているので、とはいえ用心して架空のものがたりを聞き流すつもりで読んだ。
ページを開けると、そこが大発見である。
私の記憶に残る暗殺は、まず浜口首相が東京駅頭で刺されやがて死去した事件、次が犬養首相が五・一五事件で暗殺され、次の斎藤実、岡田前首相は二・二六事件で襲撃され、岡田啓介氏は奇跡的に助かるという形でつづく。
いわば昭和元年から11年までの約10年間、殺されなかった首相と言えば、急死した田中義一と若槻礼次郎の二人だけ。首相の他に前蔵相井上準之助と三井合名の理事長圑琢(秋津注:字が出てこなかったので当て字)磨が射殺され、そして後に高橋是清も二・二六事件で殺されている。
また一方では左翼へのテロも行われ、労農党代議士の山本宣治も殺されている。戦後唯一の例外は社会党の浅沼委員長であろう。
戦後にも「右」とか「右翼」とかいう言葉はレッテルのように安易に用いられているが、私が戦前に、一種の恐怖をもって実感したような狂信的な右翼は戦後にはいない。
本当に、見るページ見るページ抜き出したくなるけど、また感想は後でまとめて書きます。