わかりやすい刑罰のはなし

わかりやすい刑罰のはなし―死刑・懲役・罰金

わかりやすい刑罰のはなし―死刑・懲役・罰金

刑、死刑、懲役、罰金の現在の状況を書き出す。

別に、期待もせずに読んだのだが、世間の常識、学者の非常識で面白かった。


実は日本の刑は行われたことに対して決められるのであり、反省の度合いは考えられていない。

光市は計画的犯罪でないこともあり、悪質さは2.2〜2.3人殺しぐらいで、死刑の相場2.5人からと比べると、罪が重くない。

慣例より重くとられて死刑になったわけだが、慣例を多いがえすにしては、最高裁の裁判官5人で決められ、15人で決めるはずなのに。

また、その判例最高裁の編集する雑誌に載らず、裁判所の内部資料に載っただけであった。

(新聞やテレビでもトップニュースとして扱われるかで、ニュースの重要性がわかる)

その後、保険金目当て(極めて悪質)で2人を殺した事件、2件で2人を殺した事件(悪質)では慣例通り死刑判決は出ず、光市が特殊事例であることがわかった。

これまで裁判所は被告が反省していても、犯罪の行為と結果が悪質であれば、死刑にしてきたにもかかわらず、光市は反省していないことを嵩上げする禁じ手を使っている。

ちなみに、死刑だが、被害者2人の場合、それだけでは死刑にならない。

保険金目当て、誘拐などは一人でもアウトだし、連続した殺人などは悪質だと思われる。

少年も計画性があった場合、大人と同等に取られるので、戦後、少年で死刑が確定したのは33人であると結構多い。


無期懲役の仮釈放の相場は30年となっている。

終身刑にすると、一生出られないと思って被告人の精神状態が悪くなるし、乱暴になるなどの態度も悪くなるし、私は今のままでも十分じゃないかなと思った。


最近PFI刑務所ができ、性格に問題がなく能力が高い受刑者がそちらに移っている。

すると、日本の刑務所はそういう人たちを難しい仕事をさせたり、職員の手足として仕事を手伝わせたりしていたので、「使える受刑者」が少なくなる等問題が起こってきている。

山本譲二的にか?

刑務官が少ないのだという問題点も書かれていた。


その他、毎年殺人は600件前後しか起こっていないとか、(知ってたけど)、基本から一歩踏み込んで書かれていて、勉強になった。