就職、絶望期
就職、絶望期―「若者はかわいそう」論の失敗 (扶桑社新書 99)
- 作者: 海老原嗣生
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2011/09/01
- メディア: 単行本
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また、若者は可哀そうかと思ったんだけど、職種別採用の悪い部分と新卒採用の可否を問うていて、新しい知識がいっぱい増えて面白かった。
私も採用の時から仕事内容を欧米のようにきちっと決めていてもらいたいと思っていた。
転職の時にゼネラリストなら売りがないやんけ。
けど、転々と異動するということは、向き、不向きでぴったりの職場を探してもらえるということでもある。
職種別採用なら、向いてない職種で採用されたら、はいそこまでで首にされる。
また、そもそも採用するならわざわざ未経験者を雇う必要はなく、経験者優先になってしまう。
ここで、職種別採用の欧米と新卒採用の日本、韓国では、日本ズのほうが欧米のほとんどの国より若者の失業率が低い。
日本(10%)なのに対し、ひどいフランス、イタリアは20%を超える。
(2009年のグラフからの読み取りであっていると思うけど)
欧米の国々ではエリートの若者は除き、中小企業の非正規から経験を積み正社員になるコースが普通だそうだ。
職業別採用をこのまま目指すと、将来は就職絶望期と呼ばれるようになるかも?
それから、日本で新卒を卒業3年まで認めるようになると、経験なしの新卒と、卒業後のフリーターと、曲りもなしも正社員が同じ土俵で採用試験を受けた場合、一番有利なのは正社員なのは明白だ。
新卒者の就職率を上げることにはならないのではないか。
それどころか卒業3年で新卒採用になった場合、新卒者が余裕ぶちかまして卒業後無職から正社員をめざすと言って、無職のままになる危険があるかも。
もっとも、意外と男性の場合フリーターから正社員になる人は多くて、10代前半、20代前半、20代後半の順での非正規率は63.6%、35.8%、17.2%となる。
とくに大卒男性の場合社会人の入り口では正社員率83.1%から87.8%(20代後半)、92.5%(30代前半)、94.7%(30代後半)(就業構造基本統計調査2007年)。
これはうちの兄貴が来年正社員の話を貰っているらしいし、結構納得できる。
しかし、やばいのが高卒で私のいとこKなんかを思い出したりして。
とか、年金で月30万を受けている人は全年金受給者の0.3%、20万円でも16.1%とかの年金一口メモとか、海老原さんってどうすればいいかの提案もきちんと出せてかっちょい〜的にいろいろと発見のある本でした。
海老原本を書店で見つけたら、追っかけるようにしようっと。
[追記]
ええっ、兄貴ってすでに正社員だったのか?
ごめん兄貴、訂正入れときます。(11.12.13)