ハタチの原点

先週末、宮台真司の「中学生からの愛の授業」を見返していた。

著者の議論は、宮台の理論に飲み込まれるんじゃないか、的にちょっと不満。

ただし、最終章の(戦前、)戦後の介護の歴史の変遷はあまり見ないネタで面白かった。

戦前は家制度があり、親の「扶養」と財産はセット。

戦後、家制度の解体を考え、福祉国家になるはずで、財産の遺留分を認めたら、「介護」者に財産がいかない。

(親の面倒を見なかった兄弟のため、住んでいる家を売り払い、、、)

そこから、核家族から任意的に親と同居し、もし親に財産があれば寄与分として介護者(専業主婦)の夫が財産を余計目にもらうことを請求できる制度(介護はただに乗っかる)、そして、遺言信託の増加、「契約的相続」として家族成員間の関係に市場原理が導入?

こうやって本の言うことをまとめるのはなんて難しいんだ、と自分の理解不足から逃げる!


第一章からは、まず、新卒採用の問題である。

フリーターになるとなかなか正社員になれない問題で、なかなか這い上がれない。

そして、アメリカでは一般事務がほとんど派遣になって同一労働同一賃金なのに対し、日本は派遣と正社員があり、それらが「責任」という言葉で分断統治されている問題があること、系、みたいなのとか。

趣味の仕事化(やりがいのある仕事)の一般化にも触れ、、、内部と外部という自分用語を用いて、ちょっとまなざしが深いが、これらは、どこかで聞いたことのある感じである。

新卒採用をやめましょう、、、だから?みたいな。

もう、みんなが正社員になれる時代は終わったのだ(←誰かの受け売り)

そもそも、なんで正社員にこだわっているんだっけ?

宮台の格差社会が悪いんじゃなくて、貧乏でも幸せに生きる道を考えないのか、とゆー話が頭の中で回るのである。

いや、宮台には仕事にやりがいを求めるのはハイパークラスのごく一部だけにしとけ、とゆー違いもあるのだが。

ワーキングプアはまずかろうだが、そこから、正社員、では、ちょっといろんなものが抜け落ちている気がして、前半戦はちょっと乗れなかったが、最終章は面白かった。

ハタチの原点―仕事、恋愛、家族のこれから (双書Zero)

ハタチの原点―仕事、恋愛、家族のこれから (双書Zero)