ヒストリエ1〜6

あなたはいったいどういう方なのか…

不思議です

笑顔でいても心の内には大きな喪失感を抱えていらっしゃる。

いったいどんな体験をなさったのか

百鬼夜行抄18 今市子

ってな感じで、ヒストリエの主人公の造詣がとっても面白かった。

面白い漫画なら★4つ半なんだけど、ヒストリエにはそれを超えたアウラ(ッて使い方は正しいかどうか知らないが)がある。

主人公の性格の読みきれなさが、(無常観ってあるよね)、通低音となり読ませる。

主人公は良家の坊ちゃんから、奴隷に落とされる。

しかし、ひがんだ性格にはならない。

頭はいい、度胸はある、文武両道で、他人を見下してもいいのに、箱に入った感じが余りしない。

自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

  • 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2006/10/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 156人 クリック: 3,495回
  • この商品を含むブログ (418件) を見る

そこが不思議。

奴隷になったのちも人と信頼関係を結ぶ立ち位置を確保する。

それが主人公にとって意味があったのか、よく読めない。

マケドニア王が主人公を学校にやらなかったのはなぜだ。

アレクサンドロスには得るものが多かったというのに。

私の最近のマイテーマは「つながり」であり、主人公、エウメネスがひととの「つながり」に対しひょうひょうとした立ち居地を保ち続けられるのか興味津々である。

一方で主人公の独白に

「私がいわゆる蛮人と聞いても態度一つ変えぬこの好青年ネアルコスには」

「その誠実な人柄から後に“だれよりも信用できる男”という私なら逆立ちしてももらえないような渾名がつく」

とあり、主人公は一体どういう風に見られるのか。

あんまり、主人公には信念が見られていないようだが、これからどうころぶのか。

エウメネスに悩みが見えないのも気になる。

弱点は何か。

結婚するみたいだけど(wikipedia見た)一生付き合う覚悟をする奥さんの性格をどう造形するのか。

しかしこれ、完結しないような気もするな。

ヒストリエ(1) (アフタヌーンKC)

ヒストリエ(1) (アフタヌーンKC)