Re:ゼロおもろいかも
ペトロニウスさん一押しのリゼロ、お気に入りに登録していたものの初めて読んだ。
「簡単な話だよ。――私は君を、見張り続けることにする」
「――――」
見張る。決して穏やかならぬ申し出に、スバルは言葉を発せない。スバルを見下ろすロズワールの双眸は、違う色の輝きでありながら同じ感情を灯している。
「幸い、エミリア様を王にしようという君の目的は、私の目的を達するための道筋と重なっている。本来、ここで君は何事にも揺るがない鋼の意思を獲得し、何を失ってもエミリア様のために尽くす、傷だらけの騎士になるはずだった」
「…………」
「だが、その道は絶たれた。しかしその代わりに、君は自らもっと辛く苦しい、茨の道を歩くことを選んだんだ。私は君に敬意を表すると同時に、哀れにも思う」
「なんだと?」
聞き捨てならない。自分を睨み付けるスバルに、ロズワールは首を横に振る。それは正しく、憐憫をスバルに思うが故の素振り。
彼は苛立ちと疑問符を浮かべるスバルに掌を向け、「君はここで、失うことを知るべきだった。失ってなおも、大切なものだけは必死で守り抜く『賢人』になるべきだった。私は君を、これでも救いたかったんだよ」
「それの、何が賢いんだ。失くすこと飲み込んで、それの何が!」
「失うことを拒絶し、全てを拾いきることを決めた君はこの先、傷付くことになる。取り返しがつかないほどに傷付き、失うことを繰り返し、その失ったものを取り返すために躍起になり、見えない傷を増やし続ける。それがあまりに、哀れだ」
「――っ」
「そして『賢人』であることを拒絶し、『愚者』であることを選んだ君の選択に、私は決して優しくしない。当然だろう? そうあることを選んだのは、君なのだから」
言葉の出ないスバルに、ロズワールは伸ばした手で肩に触れてくる。
わずかに体を震わせるスバル、そのスバルの顔にロズワールは己の顔を近付け、そっと耳打ちするように囁いた。「――この先、君の周りで君が守るべき誰かが失われることがあれば、私は躊躇いなく残った者を速やかに焼き、私自らも灰になろう」
私も「愚者」の道には否定的ではあるわけです。
「賢人」で人を切り捨てる痛みまでを失ってはダメだと思うわけだけど。
「愚者」の道は、漫画で追及されるものなわけです。
リアルで実現できないからスカッとするのか、リゼロは実現可能のあるものとして描くことができるのか、可能ならば成立条件は?
本を買ってみようかな(悩)