自省録

死後の名声について胸をときめかす人間はつぎのことを考えないのだ。

すなわち彼を覚えている人間各々もまた彼自身も彼自身も間もなく死んでしまい、ついでその後継者も死んで行き、燃え上がっては消え行く松明のごとく彼に関する記憶がつぎからつぎへと手渡され、ついにはその記憶全体が消滅してしまうことを。

しかしまた記憶する人びとが不死であり、その記憶も不朽であると仮定してみよ。いったいそれが君にとってなんであろうか。いうまでもなく、死人にとっては何ものでもない。

また生きている人間にとっても、賞賛とは何であろう。せいぜいなにかの便宜になるくらいが関の山だ。ともかく君は現在自然の賜物をないがしろにして時機を逸し、将来他人がいうであろうことに執着しているのだ。

すいません、歴史に名を残すとは言わないが、他人の役に立てることがしたい、と思っていました。

冷水浴びせられたぜ。

この本を読んでいると、自分にできることをして、結果から考えたらだめだよ〜ってな感じを受けた。

それは妄執への道なのだ(ジャンジャン)

とはいえ、マギの20巻を読むと、いろいろ人から理解されない道を進むナルシズムと、あまり理解されないのに正しいと思える危うさ、でも理解されないけど長い視座を持つことは大切で、そういうことを考える人をどうやって確保するのか「ローマ人の物語」を読んで考えたいというか、

何を行動の指針と置くべきか、かえって迷いは深まった感じもする。


自省録 (岩波文庫)

自省録 (岩波文庫)