出版業界最底辺日記

少し追記しました

やくざ物ライターと言えばこの人か溝口敦だが、親に持つならこの人。宮崎学もだが、やくざ総体を必然的存在として描く。

それはいいが、他の社会同様に、その世界なりの善悪は存在するはずなのに、総論にとどめ価値判断は示さない。溝口だけが刺された理由がよくわかる。

本を読んでいる人の文章は独自の味があって面白いという根拠のなさそうな考えが補強された。

この本には批判も多いが、ネットで見るような、(著者はHPも持っているようだが)、読んで辛くなって読むのをやめるレベルではない。

というか、読み始めると止まらず、就寝時間が一時間遅れた。

なんというか、批判にも愛があるというのか、口ではああいっても関係を切らない気がする。

私は人に嫌われるのが怖い病なのだが、口では何と言っても本当は嫌っていないような雰囲気がして、安心して読めたのであるが、ま、気のせいかも。

友達がいないと書かれるのが分かるが、でも綱渡りのエロ漫画の編集部を何十年も続けられるような義理人情の厚さがあると思うのよね。


『「妖しの民」と生まれてきて』

『ヨーロッパ新右翼

『敗戦日記』

『紙つぶて』(谷沢栄一)

『座談会 明治・大正文学史

夢声戦争日記』

あたりはチェックしてみよう。

11万円かけた「近松秋江全集」や「バルザック全集」は1冊ぐらい私も読んでみよう。

鴎外の阿部一族が面白いとか。


でも読書日記が面白いんではなくて、東京都条例でエロ漫画が規制されて、業界が厳しくなる中で生き残れるかが非常に気になったのである。

一他県人としてはそういうものもあったっけな、ぐらいだったんだが、東京都の不健全図書に3度指定されると廃刊レベルにやばいらしい。

そもそも返品4割とかで廃刊の字が躍る踊る。

寝ようと覆って最後のほうに飛ぶと「モアを他山の石に」とあり、15年前に一緒に部屋を借りて仕事をしていた人が調子悪げに書かれてあったのだが、飛ばした中身が気になった。

倒産したとは書かれていないのが、省略された可能性もあり(この本は妙録?なので)、出版最底辺の生き様は先が見えなくハラハラした。


[日記的メモ]
う〜ん、勉強したくない病、時間がないんだが