明日を読む
- 作者: 山本七平
- 出版社/メーカー: 学研
- 発売日: 1984/11
- メディア: 単行本
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1975年、今から40年前の本で科学技術を語る。
原子力発電が全体の5%を占め始めた頃で、今までは技術はアメリカからの輸入だったが、これからは日本が先進になる。
失敗の蓄積がない分野に乗り出すので、ある程度の被害を受けるのは仕方がない。
(でなければ後進国のままでいられるか)と語られる。
それから30年たった。
日本はGNP二位になり、技術の先端に立ったはずだが、未知のリスクの対応は誰が引き受けたのだろう。
被害者の話、リスクをいかに低めるかは、ノウハウとしてどこに蓄積されたのか、結局見えないところで済まされたのだろうか、先延ばしにされたのだろうか。
今読んでも全く問題意識は変わらない、昨年出版された本として通じそうであった。
(原発しないのなら代替電力どうすんよ、は今まさに問題になっているし、
次の電力の技術は太陽熱、地熱、分かるのは30年先だと書かれていたが、現在は、シェールガスかな。
30年先の技術は分からないとあった)
これは技術の法則の一つだというんですが、「実現の時期が遠い技術ほどいい技術で安い技術だという定義があるんです。
実用に近づいて具体的な内容が分かるにつれてだんだんコストも高くなって悪い技術になる。
その他、エネルギー問題が戦争の発端だったのに、エネルギーをどこから得るか考えない人多すぎじゃね(とどこかに書かれていた気がするのに見つからなかった)とか、30年前にインターフェロンが話題になるあたりとか面白かった。