モオツァルト・無常ということ
- 作者: 小林秀雄
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1961/05/17
- メディア: 文庫
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大学生の時に考えるヒントを2行読んで放り出した小林秀雄に再挑戦してみたら、結構いける。
小林秀雄の雰囲気が好きである。ライフワークとして追いかけてみるべきか迷う。
まだ20Pも読んではいないのだが、文章の感じはズルズル考え付いたことをそのまま書いている感じである。
乙一とかは、場面があってきちっと最小限の言葉で構成されるように文章に(切れすぎる程)キレがある。
それと比べて、こういう結論に達するから、全体を見て、こことここは押さえて、ここははしょる、みたいな計算のされ方をされていない。
ただ、毛糸玉を伸ばすようにずるずると思考を並べる。
どことどこが噛み合うのかもわからない。だが、必要な文なのだろう。
たしょうまどろっこしいが、私は中高生の時に読んだ大人の文章の落ち着きを思い出して好ましい。
乙一はキレ具合が疲れるので好きではないというのが好みの問題であるように、作家の個性の合う合わないは人によるだろう、ぐらいな意味なのだが、なんだか小林秀雄の文章は素朴に考えた文章の気がして、ふ〜ん、おめーさんはそう考えたのか的興味をそそられた。
素朴っツーか、私は山本七平の「小林秀雄の流儀」が全く分からなかったというか、素朴と言うにはおこがましく、奥は女性のように深いんだろうが、ま、読んだのは天才についての文章だったのでとっつきやすかったか。
少し前、橋本治の「私たちが今考えるべきこと」を読み返し、少し物足りなく感じた。
5年前は最近の橋本のヒット作だと思ったのだが、それだけ橋本の文章を咀嚼して自分のものにしたのだろう。
finalventさんに倣うのなら、橋本の本を8年ぶりぐらいに悪くはない。
しかし、もうちょっと世界を広げてみたいと思ったときに、小林の世界を撫でてみるのはどうよ、みたいな。
選集(?)を1冊持っているので、それを読んで波長があったら、月一で選集を買って読む生活(ほわん)
確か、大学生の時に勤め始めたらそんなことをしてみたいと思っていたのであった。
まだ20Pしか読んでいないのだけど♪
ま、その前に資格勉強、勉強。今週末はブログ更新できそうだが、来週平日は少し厳しいか。
山本七平もちらっと読んで、刺さること刺さること。
次のブログのネタかな。戦中派は物が違う。