マイノリティ

[追記あり]
山本弘のSF秘密基地BLOG

山本弘は自分がトンデモさんの立場になることを考えないマジョリティだと思う。

私は転勤族だったので、異端な子であり、周囲から浮くことを未だに恐れる。

どちらかというとトンデモさんの立場に感情移入する。

周りはみんな違う常識で生きている、みたいな。

転勤すると、周りの常識が一変する。一人一人、理屈があって、それが理解できない。

今までの自分が悪かったわけじゃないとは思うんだが、そうなんだろうか。

「僕らが見ているものはすべて、脳が構築した仮想現実だ」というのは前提で、「どうやってその別々のものを見ている他人同士が力を合わせることができるのか」に関心が向く。

山本さんのサーラの冒険には差別されるラミアやダークエルフの話が出てきたが、良い悪いの価値観は同じで立場が違うだけで、価値観のずれを書いたものでなかった。

仮想現実ではなくて、アメリカに紛れ込んだイスラム教徒の話を書いたのなら読むんだけどなって、もしかしたらそこまで書いているのかもしれないから「アイの物語」読んでみようかと思うけど。

自分の信じる神と他人の信じる神が異なり、礼拝とか生活習慣が違うし、なぜそういう行動をするのか、理解してもらえない。

そういう子が、いかに他人と分かり合えるのか。

というかむしろ分かり合えることはないと思うし、それでもそういうある価値観から見てトンデモさん、変な妄想を持つ人と仲良くするためのルールとはどんなものか。

ちなみに私は権力の犬だから、マイルールを押し付けようとする人に対して敏感であるかもしれない。

自分の理解できない真理を信じるトンデモさんに害意がなければ、それでいいじゃんとトンデモさんに対して謙虚になれるのか、どうか。

自分と違う真理や好悪を尊重することは翻って、自分の誰にも理解されない部分を尊重されることにつながり、風通しのいい社会だと思う。

自分の意見を他人に押し付けようとするトンデモさんは論外だが、周囲に理解者がいない孤独で憐れむべき人と直感でわからないのはマジョリティだと思ったりしたのであった。

いや、山本さんみたいな人は必要だと思うけど。


思い込みの強い人、思考が柔軟な人がそれぞれいるわけではなく、一人の人の中に思い込みの強い部分と弱い部分があるのではないのか、(なぜならばこだわりは人それぞれなので)、別々の人にそれを見てしまうのは価値観の同じ人と付き合っているだけの可能性が高いと思うんだよね。

もっとも山本さんは永久の他人である奥さんがいるそうなので、そういうことは分かりきったことだと思う。別に奥さんに譲ってもらってばかりではないでしょう、みたいな。

[追記]
この記事とは別の話になると思うけど、自分と異なる真理を信じる人=周りがその意見でなければいけない人ではないからね、そこんとこ、混同してしまうのは、逆に言うと自分の意見が認められていないと、自分の真理を人に押し付けないと気が済まない人っぽく萎える。

変な妄想があっても、ただ意見を述べるだけなら無視されてもいいから必要以上な揶揄を受けないで社会に生きる場所を。妥協できなくなるし。

他人の考えを攻撃しない妄想を持った人に愛を持つというカテゴリーがない人は私は嫌いだ。意見を変えることのできない思い込みがその人の人生。