ナショナリズムの克服
- 作者: 姜尚中,森巣博
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2002/11/15
- メディア: 新書
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自分の知っている世界が否定され新しい世界が立ち上がると、ワクワクするが、あまりに違いすぎると、怪しい宗教的にビビってしまう。
某所で取り上げられていた勤勉革命は全否定である。
姜さんが研究で取り上げるような英語圏の日本文化研究者、キャロル・グラック、ハリー・ハルトゥーニアン、ノーマ・フィールド、酒井直樹、テッサ・モーリス=スズキとか、批判的研究者はほとんど日本では取り上げられないそうだ(私も初めて聞いた)
逆に日本で有名なライシャワーやヴォ―ゲルは英語圏は全く相手にされていない。
カルチュラル・スタディーズは英語圏のくだらない流行りかと思っていたが、これにかかると日本論、日本人論が駆除されてしまうらしい。
スチュアート・ホールやポール・ギルロイか。なんか読み易い本ないかな。
そして国体というものを明治につくられて、今も脈々と受け継づけられているが、意識されないものと指摘している。
山本七平の現人神っぽい。
また、
姜 結局、人権というものは、国境の内側の人間のもので、外国人にはどれだけの範囲でそれを与えるかという議論なんです。(略)
森巣 それに関して言えば、フランス革命のときの自由、平等、友愛という言葉は、フランスと呼ばれる境界線の中でしか通用しない理念なんですね。
それを主張した植民地、外地フランスに対して、フランス本国がどんな非道なことをやってきたかを見れば、それは明らかです。
ハートとネグリの「帝国」は搾取する外部が存在しなくなったことを指摘している。
とかっていわれると、「帝国」を読んでも面白そうかなって感じもするし、似たようなことを橋本治が「90’」で言っていなかったっけ、とも思った。
姜さんの本を読んだこともなかったんだけど、在日の煩悶は同じマイノリティだけどあんまり気にしていない自分と比べてちょっと考えてみたいところはあったし、おニューな知識の宝庫で面白い本だった。
森巣さんって、よくそんな人名出てくるな的に、在野の本読みとして尊敬のまなざしで見ることにした。