居酒屋の世界史
- 作者: 下田淳
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/08/18
- メディア: 新書
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ファイナルファンタジーで宿屋と言えば居酒屋の二階、と刷り込みをされている。
居酒屋に踊り子がいるのに、娼婦がいないのは変と思わなかったお子様脳に衝撃が与えられた。
いや、ヨーロッパの中世の居酒屋は、銀行や裁判所、外科医が治療する病院、共同体の集会所、結婚披露宴など多機能性を持っていた。
日本では神社・寺などが持っていた機能が1か所で行われた、日本人にはちょっと想像ができない場所だったのである。
居酒屋の歴史
古来、客人は無料でもてなすものという無償接待の風習があり、上級階級は原則的に自宅で無償で接待した。
居酒屋は上流階級からは常に軽蔑された。
しかし、居酒屋は貨幣経済の成立したところでしかできないので、本格的普及は紀元前7世紀ごろだったと考えられる。
ローマ時代は盛んだったが中世ヨーロッパの農奴制の中では居酒屋の余地はないので、貨幣経済の復活する12〜18世紀ごろが最盛期であった。
19世紀以後、フランスの居酒屋は1789年に約10万軒、1830年に約28万軒、1914年に約50万軒と増加したが、多機能性は衰退した。
一方、19世紀以後のアメリカ、イギリス、ドイツの禁酒運動は、直接的に居酒屋通いの減少をもたらしたわけではないが、旅行、野球観戦、映画など、工業化が一息した後の居酒屋以外の余暇によって多機能性が棲み分けされていった。
その他、イスラム、中国、韓国、日本の居酒屋の歴史とか。
日本の場合、江戸時代に繁栄したが、農村地帯に貨幣経済が浸透せず、都市文化であった。
また、冠婚葬祭や祭り、コミュニケーションセンターの役割は神社、仏閣が果たし、多機能性は見られなかった。
酒を飲む行為は、人の娯楽として欠かせないが、経済の発展を止められる中央集権な体制であるかとかが大きくかかわり、居酒屋の歴史は結構地方によって異なるようであった。
おれっち、外食の習慣がないので、気の利いたコメントができないのであった。
いい店を見つけたほうがいいんだろうけど、全部書籍費に化けているからな。