日本の殺人
今年のベスト新書候補であった。
実際の殺人事件の被害者は、まず、加害者の実子であり配偶者であり、親である。それらで過半数である。
何と遺族とは加害者自身なのである。
メディアで論じられる議論は、大多数の殺人事件を無視しているわけである。
しかも、次に多い、ケンカ殺人は、被害者に原因があって加害者がカッとなって殺されていたり、被害者が暴行したら逆にやられたといったことである。
殺人が侵されるのはよっぽどの場合で、被害者はひどい人だったとか、無垢な被害者は特殊、と畳み掛けられて圧巻であった。
厚生労働省による人口動態統計の死因別死者数を見ると年間101万人余りの死者のうち病気や老衰のような内因による死を除く、外因による死者数は約7万人である(2003)
うち自殺3万2000人、交通事故1万1000人弱(警察発表の交通事故死者数は24時間以内に死亡した被害者数)。
交通事故以外の不慮の死者数は2万7000。うち1万1290人の死亡場所は自宅(風呂場2936人のどに詰まらせて2432人、転倒・転落で2186人。)
警察白書で水難事故892人、山岳事故267人。
で、他殺は705人。内訳は凶悪より家庭内殺人が多く通り魔のオーダーは年間数件と言ったところである。
豆知識として、銃で人は殺しにくい、急所に弾が当たらないのである。ナイフのほうが確実。
あと基地外による殺人とかイメージされるが、多少じたばたするぐらいで人は殺せず、酒酔いを思い出してもらえばわかるが、病気が重くなれば危険人物になるというわけでない。
マスコミってあまり真に受けてはダメなのね的突込みがあふれていた。
通り魔殺人より蛇やクマに襲われて死ぬことを心配したほうが良いとか、日本の治安ってよいのですな〜
- 作者: 河合幹雄
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/06/01
- メディア: 新書
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