日本人はどのように仕事をしてきたか

日本人はどのように仕事をしてきたか (中公新書ラクレ)

日本人はどのように仕事をしてきたか (中公新書ラクレ)

日本人の働き方、人事の評価ポイントは戦後どう変わってきたのか?

海老原さんが数十年前に書かれた本を現在から見て疑問点を書いたり、当たった点を褒めたりした点は分かりやすく、歴史萌え〜とか訳わからんことを言いたくなるぐらいその移り変わりが面白く感じられる。

また、著者が挙げられた本に対する敬意が、尊敬できるものがあるっていいことだ、的に、心地よい。

それから、ウォルフレン本に対し、あいまいな書かれ方につきあっているといつのまにか全体が組み立てられている、日本人より細かい知識に幻惑させられて、外国人なので説得されちゃったんだろうなと書かれていて(私翻訳)、そちらの突込みも萌え〜

この本に書かれたことは、ちょっとおいらさんには難しくもあったんだけど

「ケースを分析し、他にも転用できる成功要素と取り出す」のが、形式知重視の、これまでの経営学です。

これには論理的実証主義、要素還元主義という言葉がふさわしい。

 それに対して、野中さんらは、全く別のアプローチをとった。

そうした成功要素そのものがどうやってつくられるのか、に目を向けたのです。

こう書かれた

知識創造企業

知識創造企業

なんてぜってー読みたくなる。

海老原さんが影響を多大に受けた「心理学的経営」なんてのもチェックした。

心理学的経営―個をあるがままに生かす

心理学的経営―個をあるがままに生かす

うちの社も成果主義を導入しているんだけど、「大変よくできた」「よくできた」社員の割合が、男性が女性より有意に高い。

残業時間年120時間と言いつつ、サービス残業が蔓延しているからな。

サビ残前提で仕事が回る仕様なのである。(また一割人を減らすとか勘弁してくれー仕事量は増える一方なのに)

家庭のある女性はそれができない影響をもろに被ったんでございませう。

また、その評価軸もよく分からなく、結局管理職の顔色を伺うしかないところも萎え〜

と、あんまり、能力主義も面白くなかったんだが、この本を読むと、人事も苦労しているんだな、と生暖かく見守りたくなるっツーか、人事の仕事も面白そうだな、と現役人事の人には、この本に書かれてある本ぐらいは知っといてもらいたいと思ったのでした。