魔法科高校の劣等生2
- 作者: 佐島勤,石田可奈
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2011/08/10
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どうやったら自尊心が保てられるのか?
自尊心と世間評価との関係は?
主人公は二等学生である。
しかし、本巻で、学校の評価基準とはずれるが、その能力は比類ないものであることが明らかにされる。
実戦で強い。
高校に行かないという選択肢もあったぐらいに。
主人公の仲間たちもテストには弱いが実戦で強い。
1の感想でも書いたが、学校基準では劣等生でも劣等感は見られない。
それだけの実力があれば当然だ。
私は大学受験の得意科目で偏差値84をとって志望校に落ちた。
(偏差値にこだわる訳ではない。こないだの掃除で84と確認したが、大学在籍時には81だと思っていた)
大学では教授にブイブイ質問しまくった。
分からないところが気になるのは当然だ。
しかし、例えば、名古屋大学の先生が教えにきていた時の質問で、
その時は授業の申請をするのを忘れていて、単位はもらえなかったのだが、
来年申請を上げると授業を受けずに単位がもらえると約束してもらえたぐらいには「気の利いた」質問ができるという確信がなければあれだけやりたい放題はできなかっただろう。
偏差値81を秘かに支えにしつつ、あれがなければ、恥ずかしくて勇気が持てなかった。
何を心の支えとするべきか。
(ちなみに自分の言うことがそんなに的外れではないと言う慢心はその後大いにズッコケる。
ペーパーテストでは考察のきっかけはすべて文に書かれていてそこから探し出せばいいだけだが、実験では何が普通で何が異常かと言う判断から始めなければいけない。
俺、観察眼がなかったw)
幸福感は遺伝子で決まるものですかという視点はさておき、何で自信を持つべきか。
作中で二等学生と揶揄される主人公たちでも、他で自信を補うことができた。
社会の成功っつーものはペーパーテスト(作中では魔法の測定方法)では測れない。
魔法の測定方法で劣等だったとして、実戦では落後者ではない主人公ズの見せつけ方は爽快だが、でも、社会での成功の物差しは実戦だけではない。
わかりやすい実戦ではなくて、もっと地道なさまざまな長所をみせて、そこからリアル高校生たちが自分に自信を持つきっかけになる、さまざまなものさしを見せられることを期待する。
ジョジョのスタンドなんてなくても性格でジャンケンできる、みたいな。
適材適所のさまざまなバリエーションが見たいとゆーか。
し、認められにくいが実はすごいと思って自信を持っていた物差しが、世間の評価通り下らないものだと分かってもそこから這い上がる物語が見たい。
逆に社会で認められないことが明らかな能力、性格でも、それが自分で分かっていても、自尊心の源にできる、そういう奴が見たい。
変な顔世界一は有名俳優になれましたが、普通実績はないのに自信があるそいつの危なさがどう克服されるのか、克服されないものなのかを知りたいと思う。