「親日」台湾の幻想

台湾時は日本統治時代、口やかましい日本人のことを「犬」と呼んでいた。

しかし戦後国民党とともに来た中国人の腐敗を見て中国人を「豚」と呼んだ。

「犬はうるさいが、それでも番犬になる。豚はただ貪欲に食い散らかすだけだ」

ま、こんなものでしょう。

インフラや秩序・制度面に関する評価はあるが、天皇崇拝や神社参拝の強制を肯定する声はない、と。

全否定されないのはフェアかと思う。

もっとも、戦後日本が台湾に仕事を受注し、お金を落として、多少やわらかめに見てもらっているかも、であるが。

それとちょっと面白かったのが、台湾には日本統治以前に、台湾全体を一つの完成された国家機構が支配したことはないという点だ。

清は中世的に、年貢を納めさせても、こまごまな統治はしていなかった(と、私が断言してしまうのはまずいが)

その点韓国とは違う。

また、ヒットした映画の設定は、ホーロー人、客家人、原住民で、外省人の影は薄いという記述で、ホーロー人?と、気になった。

それから、米国が中国を本当に危険視しているのなら、日本もイスラエルと同様に安く武器を供給するのではないかという記述も、素人的にはごもっともに聞こえた。

こういう旅行記(でもないけど)は、読むと楽しい。

著者の別の台湾本もチェックしてみたいところだ。

「親日」台湾の幻想 (扶桑社新書)

「親日」台湾の幻想 (扶桑社新書)