青の時代 伊集院大介の薔薇
(2/9一部書き直し)
―その手に抱えている、真っ赤な薔薇の花束を、隠そうともせず、わるびれもしなかった。
それが、あたしのためのバラだ、なんて、あたしは一瞬も思ったりしなかった。
そんなふうに世間知らずでいるためには、あたしはもう46歳だったのだ。
まず、栗本薫すごい、と言わねば。
「17歳の肖像」より好きだな。本に充実がある。これぞ物語系の本を読む醍醐味。
この本が99年に書かれたもので、全盛期ではないと言うのがなんとも。
ま、私が時の重みを感じる形式に弱いのでいくらか色はついていますが。
この本は、女優さんが25年前の事件を振り返る形式で書かれている。
青春だ!私も今、ある人と距離を縮めるべきかどうかで悩んでるし、諦めて、結婚登録所に行くべきかで(←病気は?)悩んでいるし。でも、セックスすることには余り乗り気でないし、一生一人身でいいやん、みたいな。
あとから振り返るとたいしたことないんだろうけど、今は一生懸命考えている。
思えば、中学生のときから余り勉強せず現実逃避ばかりしていたくせに、大学受験というジャッジが下ることが非常に怖かった。
今のレールはいつか途切れるという恐怖。しかし、国立大学に入る学力はいつの間にか身につき、大学生になって病気で留年しまくって、それでも世間は良くも悪くも病気前と何も変わらず、自分も何とか正社員の口にもぐりこめれた。
レールが途切れる恐怖もいつの間にかなくなった。なんとかなるさ、で、自分はそれほど悪くはないようだというか、いつまで続くか砂糖菓子でできた人生。
でも、頂を見れば限りなく、こんな人生しか歩めなかったのが寂しいときもある。ようはfinalventさんラヴだぜ、私も受け入れられることなんだろうか。
いずれ通る道だけど、20代の延長気分で通用しなくなるのはいつなんだろう。
まだ私は若いし、どこまで這い上がろうとする意思があるか、で、ちょっと揺れるときもあるけど。
この本の主人公は振り返る形式で、過去の自分を分析している。独白が21の頃だと、青臭くて読めたものではないが、46才の冷静な突込みが甘酸っぱさと哀惜を感じさせる。
白状すると私は皆川ゆかの「女帝《1995》」買いましたよ。
この本を読んで気持ちが整理しきれなかったので、支離滅裂に締める。