獣の奏者Ⅰ
私は漫画版が一番好きかな。漫画版すごいのです。
闘蛇は決して人に熟れない。−馴らしてはいけない生き物なのよ
最初の一話でテーマが語られるのだが。これが決して流れるわけでなく、しっかりと記憶に残る。
主題の重さがジワっと凄みがにじみ出て、これからの困難をそれと知らず想像させる。どきどきわくわくする。
それにお母さんの孤高さ、精錬さが良く描けていて、エリンがハブにされる、なる流れがすっと入り込む。必然性を持った子なんだなと思わされる。
とにかく、漫画家が世界観を完全に取り込み消化している。
原作はさらさら読めて(上手すぎて)、話の筋は面白かったのだが。テーマについて考えさせる広がりに欠けていた。
漫画版はテーマの重みをどんっと正面から描く気迫と技術があって,これからが楽しみです。