赤めだか

時間を忘れて読みました。

私はサラリーマンの子供で、サラリーマン以外の生き方を漠然とでも考えたことがありません。

しかし、人の顔色を伺うことが第二の本能とかしていることに鬱屈を覚えないわけではなく、自営業の人が書く本ってどうしてこんなに面白いんだッ

先が見えなく、次々と襲い掛かる試練。ギリギリのところでもてる限りの知恵と勇気で自分の人生を切り開く爽快感。

立川流の落語家には機転が必要とされるようです。ってゆ〜か、一日一食の前座は泣ける。

一方で、結果よければすべてよしというわけでもなく、赤めだかという題名の由来は深い。

また、藤原氏の発言を拝借すると「人生で勝ち逃げ、ただもらいは絶対に存在しません。(中略)負けるときにはみんなで負ける。ただし勝ちにまわった時に他人より多く勝つ。」

著者は負けることの大切さや勝どきのわからない者のいじらしさを知っているんだろうな。対して、何事にもそこそこで手を打つそこそこ人生の私では本当の意味がわかってないと思うけど、本を読んでちょっとは想像力が働くようになったか知らん。

赤めだか 立川談春 扶桑社 2008