塩の街

世紀末物つ〜か世界が滅んでいく話に恋愛が絡んでいる。

先が見えないと恋愛のボルテージが上がるのがよく分かる。いや、よく書けている。

ある日、世界中に塩でできた隕石が落っこちてきて、人々が塩となる奇病がはやる。

政府が機能していなくて弱肉強食。もうね、なんというか、リヴァイアサン万歳です。

私はサバイバルできないし、今の日本に生まれて感謝しまくり。

胸の辺りがキュウっとなる嫌な感じは本物の本を読んだときにしか感じないものです。

「フリーター、家を買う」が7万部だそうですが、売れる作家だろうなと思います。

欲を言うなら、娯楽性だけでなしに、今の自分の状況を反省し、自分を変えていこうというような自己啓発本のようなパワーがあったら良かったかな。

本の中の状況が自分と接点を持てず、あ〜怖かった、と40分トリップしただけだったので、ジャンクフードも良いけど、ジャンクフードを越えた記憶に残る本を書くことを期待してしまいます。

塩の街 有川浩 電撃文庫 2004