ピーマン白書

「ピーマン白書」というのは、橋本治が第4話のシナリオを書いた打ち切りドラマである。

レギュラーに子供が25人とその親と教師という大所帯である。当然一人一人に設定がある。

桃尻娘プロポーズ大作戦」に25人の子供の性格設定が載っているのだが、この教室の立ち居地の子にこういう見方をするのかという視点が新鮮。

神幸子 クラスの委員長。川上杉作こそが二十五人のリーダーだと信じている。"しっかりしなきゃ"と根拠なく信じている

「根拠なく」「信じている」って十二人の中学生より見方がいやらしいです、橋本先生。

また、1980年の段階で「実に、明白な主張を持っている優等生は空洞を抱えているものでしかないということを象徴する存在である」とか断言している。

他にも

花村京子 唯一人、落ちこぼれではない少女。初老の個人タクシー運転手の娘で、父親に猫っ可愛がられ、成績も良いので、「厳しさを知りたい」などと甘いことを考えている。担任教師夏目の相談相手。私は"X"なるものを、彼女の潜在意識の産物と考え、一種の隠された超能力少女とした。

私は「やってみなくちゃわからない」主義で突っ走るところがある。「厳しさを知りたい」といいかねない所があり、花村京子の設定が身にしみた。

いや、中学時代に立派に落ちこぼれたんですけどね。主観的には優等生からぶれてなく、物怖じしない(><)/

こんな調子でアイタタタって思う子が絶対いる。そして、25人がそこからどう変わっていくのか続きが気になる。

せめて(たぶん)群像劇の「人工島戦記」早く読みたい。

桃尻娘プロポーズ大作戦 橋本治 河出文庫 1995