天気晴朗なれど波高し2

「コーアの所へは挨拶に行かないのですか?」

代わりにそう言うと、ネイは一瞬泣きそうな顔になった。

そして視点を横にずらし、遠くで陸の仲間たちと賑やかに騒いでいるコーアを見た。

その視線は迷わず一直線に彼をとらたので、ネイがはじめからコーアの姿を把握していたことを知った。

「あなたからよろしく言っておいて」

破妖の剣クララ白書、とこの本を借りてきて、一番先に手にとったのがこの本。

1が、密室状態の船の中殺人が起こった。水夫の反乱がおきるのか、という緊迫感は普通のノベルスとして十分鑑賞に堪えられたので、2にも期待。

しかし、2は物語を先に読み進めるためのフックが弱かった。

謎解きで主人公の行動に疑問をおぼえるほど、主人公の行動パターンになれておらず、意外とも思わず、なんとなく流れてしまった。

また、謎解きの邪魔になるので構造上思ったことを入れられなかったのは仕方なかったかも、だが、主人公の妄想が極端に広がらず、愛すべき変人の側面が強調されず残念。

しかし、冒頭から準備していた隠し芸を披露場面は期待以上に笑えたし、悲恋の行方×2が気になる。続刊読みたいな、

天気晴朗なれど波高し2 須賀しのぶ コバルト文庫 2003