ボンバーマンジェッターズ

昨日は「RD潜脳調査室」をつらつら見ました。最後ソウタはロボットを人間と同一視気味でしたね。惚れた関係になる、垣根を越える根性を見せる前に終わりましたが。

ロボットと人間の違いで思い出すのが「ボンバーマンジェッターズ」です。

以下ネタバレです。

ジェッターズは世界にひとつしかないものを盗む盗賊団、ひげひげ団とそれを防ごうとするジェッターズをギャグタッチで描いたアニメです。

しかし、主人公のシロボンの兄貴は2話目から行方不明。後半、兄ちゃんの記憶を持ったロボットが現れて、兄ちゃんとの関係は?兄ちゃんの生死は?とドシリアスになり、死を扱った名作子供アニメです。

最後、(兄ちゃんの延長として)惚れられた兄貴の記憶を持つロボット、ゼロは、人間と同じであったために死ぬんですよ。

この話に出てくるロボットはひげひげ団の量産型戦闘員ロボット(ヒゲヒゲとしかしゃべれない)と特注?の仮面ライダーだと怪人にあたるロボットが何体かです。

ゼロは特注ロボットで、兄貴を倒し記憶・その他を奪って、兄貴の死に様を記録していることが最終回明らかになりますが、性格・能力は兄貴そのものです。記憶喪失で登場し、途中行方不明になったりしますが、ジェッターズ側につきます。 

で、ヒゲロボットは作中CD-ROMを入れ替えられて性格が牧歌的いいもんから悪いもんに変わります。それでも生きています。ROMを元に戻すと元に戻るんでしょう。

(ちなみにヒゲヒゲ団の総帥はボンバーマンの子供達に「わしの孫」的なことを言っています。ROMを交換されなかったいいヒゲヒゲに言っていいせりふだとも思いますが、ここにロボットと生物の厳然な差があります。)

それに対し、ゼロは最後奥義の(?)ボムで悪い心を吹っ飛ばされると、死んでしまいます。人間と同じように、良い心と悪の心がなければ生きていけなかったのです。

ゼロのことを兄貴の相思相愛相手は気になって仕方がなかったんですが、ロボットと生物、垣根は高い。

そもそも人を好きになる条件と好きになる人そのものはどういう関係にあるか深い問いですが、そこをスルーして、この垣根を越える問題の手っ取り早い解決方法は死別です。

スタッフさん安直な方法をとったな、と思いましたが、人間であるゆえに死んだのなら、ある種の人間同士の付き合い、幸せなIFがありえた可能性を残したことになり、二人が結ばれたら問題の山積を無視し、うそになるところを見事に終わらせたでしょう。

それでもハッピーエンドで終わらせても良かったと思い、だいたい最後、ゼロが兄貴の死に様を空にホログラフで見せ、それがTVで全宇宙で放映されるという、普通の人の死に様は死して屍拾う人なし、何で、兄ちゃんだけ特別扱いする理由がわからない。

唐突にホログラフ出すな。と一瞬思ったのですが、何と伏線がありました。

前に次回予告に敵の立体映像が空に浮かんでました。本編は見ていなかったのですが、敵ロボットに立体映像機が内蔵されていたとしたら、ゼロに搭載されていてもまあ不思議じゃない。

何とかご都合主義で終わらせまいとした努力が伺えます。よく考えられていた良いアニメでした。