世は〆切

自分の利になるとみれば他人の島(一例尖閣列島)まで自分のものと言いはるのが、健康な個人であり、国家である。

故に健康というのはいやなものである。けれども個人も国家も健康でなければ怪しいかな侮られる。

あんまり上記のような夏彦節は炸裂していなくてちょっとさみしい。

それはそれで勉強になるが、鰹節の変遷、交友記録のような若い世代に伝えたい歴史が主。

しかし、「秋山ちえ子の談話室」一万回記念の文は、皮肉を言っては打ち消し、ひっくり返し、ひっくり返し、褒めた気がする締めで終わる。芸術品で読んで楽しい。

どうしてそんなに長い連載が続くのか聞かれたと始まる文は、ブログをはじめた身には参考になる。

作者の命はせいぜい十年だと私は見ている。いくら努力しても自分以上にはなれない。

ただ自分以下にならないことだけ心がける。

以下にならなければ人は誤って以上になったと見てくれることがある。

ブログを質にするか量にするか難しいところです。

上司に海外勤務に推してもいいと言われ、英語を勉強する動機付けには困らない。読書時間削らないと。

世は〆切 山本夏彦 文芸春秋 1999