飛躍する文章が好きだ。

「原因と結果の法則」という本の題名を知ったとき嬉しかったと同時にちょっとがっかりした。その頃、考えるということは、過去の経験、原因と結果から演算される確率と、そうなって欲しいという意思、願望がミックスされて出来ると思いついたからだ。

「原因と結果」がキーワードであると考えた人が他にもいるんだなと思ってがっかりした。(本の内容は私の考えとは全然関係ないのだろうが)

相手を納得させる文章は、過去から演算される確率論をふまえて、それが起こる可能性を順につぶしていって作られると思っている。

自分が学生時代シェアルームをしてうまくいったからといって、シェアルームが上手くいくと考えるのは早計だ。他の人が上手くやった確率にたまたま自分がうまく言った事例を突合せ、上手くできる確率を導き出さなくてはならない。

でも、私はたまたまであれ自分のルームシェアが上手くできたことを一般化して文章を作りたいと思う。ときどき。

私は飛躍する文章が好きだ。自分の経験から原因と結果を推測し、導き出された確率から文章を作りたい。自分が正しいと考えているわけではなく、自分はこう考えたと、言えるのが楽しい。また、飛躍した文章を読むと、その人の過ごした人生が透けて見えて楽しい。

リアルで自分の考えた文章を書いたことは一度しかない。自分の考えが思い込みに過ぎないのは知っている。

でも、私の考える確率と、顔の見えるあなたの確率を掛け合わせて一般化し、世界の輪郭を作ることに対して憧れがある。