ダークナイト

なんか感情移入させられて描写がいちいち痛かった。私が青年漫画を読めない人間であることが思い出された。値段の価値はありました。

行動指針の優先順位を狂わすのは何か。どういう状況で優先順位の一番が変わるのか。現在のマイテーマですが、ダークナイトは答えは新しくなかった。変化をもたらすのはやっぱ愛。また、たまたま自分がその立場に立たされずに済んだからこの行動指針であっただけで、経験するとあっさり方針転換するのもありがちである。

ハービーはどうしてマフィア逮捕に命をかけようとしたのか、そこが描かれなければ、後半の落差があいまいになるような気がする。女にこけただけじゃん。織り込み済みじゃなかったのか。

対して本部長はこんな経験をしてまだ町のために戦えるのか。戦えるとしたらどんな理由かを描いてくれたら、途中でずっこけたハービーと正義の根拠が対比されて興味深くなったと思うんだが。

わなに落ちたのが「一番純潔だったから」という理由は私は説得されなかった。世間知らずが一番えらいわけないじゃん。もっとも、世間知らずだからこそできたことなのかもしれないし、無知ゆえにできたことだって重さは変わらないけど。

ところで、ダークナイトというオチと、清濁併せ持つのと違いがいまいち分からなくて残念でした。