あなたの苦手な彼女について

「自分の身の回りのこととする」は、「家事能力の部分的な適応であって」であって、「家事そのもの」ではないからです。「家事」というのは、「自分一人のこと」を超えて、「家に属する成員メンバーのこと」まで及ぶからです。それを理解しないと、「結婚はした。自分のことは自分でするが、配偶者のことは何もしない」ということにもなりかねません。(省略)そして、もしかしたら、家族の誰も、「家の管理―自分以外の家族に関する家事」を担当しなくなります。

読みながら、「橋本治内田樹」中の「ふつうに考えれば、あんだけ魅力的な主人公が歳とってくとつまんなくなるっていうのあるじゃないですか。」という言葉が頭の中を回っていた。

橋本の書くことは楽しいのだが、対象に魅力がなかった。だが、そのつまらなさは、橋本に指摘されるまで、気がつかなった私が持っている部分でもある。

最後、対処方法を書いているのはさすが橋本である。しかし、今回ばかりは橋本の想定する「苦手な彼女」の部分を持っていない読者がどの程度いるのか、本当気になった。

「あなたの苦手な彼女」とは、今や「男女」を超えて存在するそういう人たちの別名であるはずなのです。(P281)

しかも著者である私は、この「あなた」を「男」に限定してはいないのです。女の人の中にだって「苦手な彼女」を持っている人はいくらでもいて、「あなた=女」の可能性もあるのです。(P11)

この「苦手な彼女」を中に持っているのは女に限らないって事でしょ、と思った。

「苦手な彼女」対策方法は自分で気をつけることでもあるので、非常に実用性があります。

あなたの苦手な彼女について 橋本治 ちくま新書 2008