橋本治と内田樹

これ二十歳ぐらいの頃に友達に言って呆れられたんだけど、「俺はなんかねー、巨大なゾウリムシのような気がするのね。でもゾウリムシってあんまり美しくないからー、ピンクにしたいなぁ」つって(爆笑)

図書館で借りようかどうか迷ってたんだが、チラッと立ち読みして、即購入決定。橋本治の本というよりただの対談集なのだけど。


まえがき 内田樹
I
#1 くだらないことに命懸けるところあるんですよね。
#2 うっかりするとね、「美しい」の上に
「とても幸福だ」があるんですよ。それはあえてやってる。
#3 メルロ・ポンティは知らないけど、カルロ・ポンティなら知ってる。
#4 議論とか論争がわかんないんですよ。
闘犬や闘牛をはたで見てるようなもんじゃないかっていう……。
II
#5 「本を読むときに眼鏡をかけると、なんかインテリになった
みたいな気がして」「先生、それ中学生ですよ(笑)」
#6 「あっ、君の中にすばらしい バカ があるね」と言って、
ピンとくる人ってどれだけいる?
#7 人間の話は全部講談だから、講談が扱ってないことに関して、
日本人は何も知らないんですよ。
#8 光源氏がセクハラ親父になって孤立していくあたりが、
すごく哀しくてね……。
#9 竹垣の向こうに人が住んでるから、
秋になると秋刀魚をくれるんですよ。
#10 ちゃんとした紹介が、最大の批評だと思うんです。
#11 アメリカの不幸は土地の神様がいないこと。
ジャパニーズ・ホラーで「祟りなす神」まで輸入している。

あとがき 橋本治


橋本治は、現実にちらかっている、無関係と思われる事実と事実をつなげて、論理を作り出す。

無関係なものがどう関係あるのか読み手を説得するのに行数を費やし、本筋が読み取りにくくなるのだが、今回はそういうこともなし。

その分、どこかで騙されているような気さえする、目からウロコの驚きは少ないのだが、橋本治の孤高なあり方を楽しむ本。

橋本治内田樹  橋本治 内田樹  筑摩書房 2008