全知であること

全知であることは私がずっと考え続けていることである。

人間が全知であるとはどういうことか。

自由意思の問題につながっている気はするのだが、そこまでたどり着くかな。

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)

では未来を知る人がその未来を変えようとは思わないのか、同じことをしようとする意志が生まれるからだ、とあったような流し読みで忘れた。

しかし、考えるのに、チョコレートを我慢したほうが痩せるのについつい食べてしまって、分かっていても実行に移せないことは多い。

長期的利益と目の前の利益は相反することも多いが、どっちをとるのか。

人生塞翁が馬で、痴漢に間違われたことが結婚のきっかけになることもあるし(アウターゾーン）。

勉強し続けてＵＦＪ銀行に入るとか、楽しーか？

あらかじめ結果が分かっているのなら、苦しい道を選ばずともロト6で儲ければいい。

全員未来が分かってるのなら、他人のおこぼれにあずかろうとする人ばかりになって人類滅亡するか。

世界平和のために立つ人はいるか。

気になっているのが、うさぎちゃんの「地獄の中にしか天国はない」発言である。

先が分かって、楽な道ばかり行くのなら、平坦で、何も予想外のことが起きないのなら退屈で死にそーだ。

って、これは、終わりなき日常で、結構、死である終りが見えたら、充実するとはいいますが、

銃夢（１）

ＳＦで何百年も先、下層でいき抜いた子が、ラストで上層に行ったら、自殺機械が使われて天上人があっけなく生を止める姿に憤っていたのだが、それに説得力があるか。

何も逆転が起きないと分かって、生き続けることができるのか。希望とは何か。

「自由とは何か」とも言える。諸データを瞬時に計算して適切な解答を出すGoogleの存在があれば、人間のある時点の最適行動は計算可能になる。そのとき、自由とは、愚行くらいしか残らないのではないだろうか？　
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2014/11/post-fed7.html

愚行権ツーか、私はこう思うが、本当にそうなるか、あえて地雷を踏んでみようとかたまにするから、私は信頼されないのであろう。

テッド・チャン(たぶん、ではない考え）では、未来が分かったらその通りにしたくなるんだろうか。

私が透明な存在になって、みんなが愛おしいから、することを黙って受け入れる境地になるんだろうか。

神の境地だよな

自由意思を持つとはどういうことか。愚行もするからいいこともできて、人間は素晴らしいのではないか。

星新一で、幼少の頃、金ができる植物を変な格好をした人からもらって自堕落な生活をしているが、手相を見たら何でも大成できる人だったとかで、もしかして植物を渡したのは未来から来た政敵、みたいな話があった

自堕落が悪いとは言わないが、何を目的とするのかがないと、全知になってもうまく生かせない気がする。

で、人間の目的なんて移り変わるし、

悪事が働いていてもわざわざ解決しようと思わない人もいる(適当、犀川先生）

情報があっても使いこなせいないと意味がない。

使いこなせるスーパーマンを設定できるのか。

できたとしてもルルーシュみたいなオチが思い浮かび、個人の幸せが犠牲になるのではっぽく。

合理的になりきれるのは、合理的ではない情熱がある。

[追記]
知ることで上手く生きられるのか、答えが分かった人生に耐えられる人もいなさそうだけど、敷かれたレールの上をずっと生きられる人もまた少なそうな気がする。

全知であることと合理的であることはイコールではない。

自分の好きなことを置いて勉強するのは合理的ではない的な意味で、人生の目的をなんとするかで合理的な在り方は異なる。

分かっていても止められないことがない人はいないっと。