ノマドと社畜
- 作者: 谷本真由美(@May_Roma)
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2013/03/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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私はビジネス本をそれなりに読んできた。
20代30代でやっておくべきこと、みたいな本は見かけたら買うようにしてきた(過去形になったけど)的視点で言うと、
この本は本当にこの本はグローバルな仕事をしてきた人の本なのだろうか。
区分けが変というか甘いというか。
新卒一括採用は欧米ではない制度ということを知らない人向けであった。
イギリスではノマドの人の60%以上が850万円以上だそうである。
でも仕事内容はとても高度で経験者でなければ高い賃金は望めず、実力がグローバルで競争力のない若い学生なんかは低い賃金で買い叩かれるだけである。
ノマドの能力は暇な時に身につけるレベルではダメで、厳しいことをいう親方に鍛えられる必要があるが、その間は安い賃金でも我慢しなければならない。
一方で日本企業はタコツボ化して他社で通用しない、滅私奉公しても切り捨てられる。日本企業の中では考える力が失われる。
でも、ノマドはオールマイティに何でもできるようにならないといけないので万人向けじゃないので、勤め人として働きつつ工夫して、自分ブランドを確立する(自分商店になること)もありという結論は、形を変えると
勤め人で仕事のアウトプットが出せるようになるまでは安い賃金で働くというか滅私奉公と言われるぐらい働くということではないのか。
結局、勤め先が安泰だと日々工夫しない人がダメだけだというだけで、食べていくための技術を身につけるために既に企業の中で全力を尽くしている人に入らぬ説教で、
企業活動に付加価値をつける、全力疾走の幹部候補生向けの本じゃないというか、この本もダメな人が対象のキャリアポルノの変奏曲で
藤原和博が35までは余暇時間がないほど働いて仕事の基本を身につけ、それ以後は手抜き(意訳)といっていたが、そういう処方箋はすでにあるし、と
図書館で借りたが2度読みで買い直すレベルではなかった。
いいところを探すと、ノマドとしてやっていくには、法律や契約書についての知識、会計、税務、商習慣、大企業の意思決定方法、社会人としての常識などを知っていることが必要で、そういうことを中心にこれから調べ物をしていけばいいのか、指針が出来ました。
(追記)
でも、勤務時間ははっきりしている記述はあったけど、それがどの程度浸透しているかは書かれていなかったんで以上のようになりました。
エリートはめちゃめちゃ働いている、とかワーキングプアとかの話は聞くんだけど、と、やはり第一作を買わなければダメか