こころを動かすマーケティング

マーケティングの勉強のつもりで読んだが、いいマーケティングについてはなんだか正統すぎて真似できそうになく、仕事に対する姿勢が勉強になった。


著者はライオンに入社し、転職、ヘッドハンティングにあい、コカ・コーラに勤めることになる。

ジョージアコカ・コーラで、同じ缶コーヒーのBOSSからシェアを奪われて、先が見えないところに、著者が来て立て直した。

当時ウーロン茶でお茶市場に攻勢をかける雰囲気だったのに、何もないカテゴリーから爽健美茶を出し、午後の紅茶からシェアを奪い紅茶花伝を成功させた。

番茶で失敗したけど、揚々としていたところで、トップが変わり、マーケティングから営業部へ回される。

ここで著者はライオン時代、大阪支店から初めてアメリカ留学の切符を手にしたのは、営業で成績を残したからで、アメリカから帰っても営業部にいたせいで、営業のことはよく分かっていた。

コカ・コーラで精彩を欠いていた営業部で、マーケティング部に現場の動きを伝えられるように下をしごき、2年でマーケティング部への要望報告書をまとめる。

そこから認められ、次は社長へと、、、


なんちゅーか、自分が恥ずかしくなる。

会社に文句に言うのではなく、その場その場で優秀な成績を残していたら、会社も実績を認めて、新たな活躍の場を用意してくれる。

なんか、そんなに世の中甘くないようで、正論の力強さを感じた。

また、常に人間観察をするとか、やっぱりマーケティングができる人は努力も怠らない。


なんで著者が成績を残せたのかは、現場に足を運んでいるか、最後までやりぬいているか、とかはよく言われてはいることだろうし、とびぬけた商品を提供できているか(「平均点」のマーケティングは失敗する)は飛びぬけていても結果がついてこないんじゃと普通人は言ってしまうし、マーケティングの本としては基本で著者の嗅覚を真似できるかと言われたら、無理っす。

でも、読んでいて人となりがにじみ出る文章は読んでいて気持ちよかったし、明日も仕事がんばろうと元気づけられるいい本でした。