ログ・ホライズン5

ルンデルハウスもまた、青年期特有の潔癖な克己心を見せて、その表情を瞬く間にぬぐい去ったので、話し相手の商人にさえ疑問を感じさせなかったのだから。

人間を外から観察している感じは前にも書いたけど、有川浩系統だよな〜

人生経験の浅い(30だけど)自分に納得できる程度、半歩先の人間理解を示している。

なんかありきたりでなく新鮮で、自分に分かる程度に著者は加減して表現しているのか、ちょっとそこが知れない。

ま、人間理解が深まると思えば読むのも楽しい。

今回のハイライトは「シロエ誘惑される」で、これは、自分にはピンとこなかった。

そんなに欲するものかなと思っちゃったのである。

陋巷に在り3」(酒見賢一)はこれは引っかかるッと感銘を受けたので、その点は物足りなかった。

でも、人間が書けてないというより、シロエはシロエの思考回路があり、それは自分とは違うものなんだな、というキャラクターの立体感はあったし、誘惑の断りが立派に成立していて、シロエの性格がにじみ出てエーもん見せてもらった。

シロエに恋する二人も可愛らしく、萌え萌えさせてもらったし、恋の息苦しさは読み飛ばしそうな暗さがありそうだが、ちょっくら長めに書かれていたにもかかわらず、読み飛ばしを許さない磁力があって、1巻のころより著者の力量が上がったかな、という感じである。

イヤ〜青春の甘酸っぱさなんて俺には無縁でしたよ。

アカツキの落ち込みからの回復が書かれていなかったので、変にこじらせないことを願いつつ次巻がでたら、すぐに買おうっと、お気に入りのシリーズになりました。