社会の真実の見つけかた
やっぱり、私はものの見方が甘い。
あのVTRはアメリカ兵を、血も涙もない残酷な殺人鬼に見せているからです。
罪のない一般市民を平気で殺し、それを冗談にして笑い合っている映像ですからね。
でもそれは表面的なことだ。(中略)
でも、一つだけあの映像だけではわからないことがある。
それは、戦場で人を殺しても平気でいられるためには、冗談でも言って平静を保つしかないということです。
だから帰国して冗談を言いあう相手がいなくなった途端、兵士たちは心が壊れてしまう。
戦場に出たことのない私にはまったくない視点だ。
この視点が分かっただけでもこの本を買った甲斐があった。
あと、戦争で大学費用を稼ぐのもありかと思っていたんだが、
除隊して軍から大学の費用は出たものの、その額は契約時に提示されたよりはるかに低く、どんどん値上がりする学費にはとても足りなかった。
それに除隊時は脳障害や重度の鬱になって、そういう金は、治療費で消えてしまう。
また、戦場に適応すると、一般市民な生活に再び戻ることは難しく、戦場から抜け出せなくなるとか。
その他、アメリカで一斉テストの不正を教師自らやるのは、プレッシャーが半端ないからとか。
国語と数学の一斉テストは障碍児も受けるとか、教師は週に最低残業25時間とか親の対応に忙殺されるとか。
教育の話はトリビアとして面白かったが、私が今まで持っていた知識のどこに位置付けていいのかわからず、ちょっと読みづらかった。
あくまで、アメリカの情報紹介って感じで、いつまでネタが持つかちょっと興味がある。
(ウィキリークスもあるぜ)
ちなみに最終章、アメリカでは若い子が政治的に頑張る話はけっこう同じ若者ととして心強かった。
自分は政治的には何もしないけど。
- 作者: 堤未果
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2011/02/19
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