しのびよるネオ階級社会
- 作者: 林信吾
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2005/04/11
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階級が固定化された社会は、必ず活力を失い、衰退する。
なぜなら、非エリートと位置づけられた若者たちが、将来に希望を持てず、モラルを喪失するからだ。
イギリス生活を10年していた作家がつづる英国の階級社会の現状。
アッパーミドルクラスに医師や弁護士、ロウア―・ミドルクラスに下級公務員、自営農民、零細自営業者や職人などと、ホワイトカラーがだいたいミドルクラスとくくられるのか。
医師や弁護士も中流か。
で、ミドルクラスとワーキングクラス(労働者階級)が、まるで文化が違うことが強調される。
まったり、「家のローンと子供の(私立校の)学費に汲々としながら、コマネズミのように働く人生なんて、どこが楽しいのか。」というのがワーキングクラスであるらしい。
が、まったりと同時に、ワーキングクラスは宵越の金は持たないがモットーで刹那的、とあり、階級を一つ上がるには3代かかる、すなわち、先のない鈍詰まり感ある、ようだ。
自分も宮台真司のファンであるからして、エリートクラスを目指して、それ以外の子がすべて承認を得られないのは問題、というのには、納得済みである。
そのエリートクラスでない暮らしが、著者の言うように、鈍詰まり感、引いてはモラル喪失にはつながらないとは思うんだが、情報が少なく良く分からない。
鈍詰まり感は、階級の硬直性が問題である、とこの本では指摘があるのだが、まぁ、日本はホリエモン逮捕とかあったしなぁ。
ワーキングクラスには上を目指すのはクールじゃないという価値観があるらしい。
勝間和代と香山リカとの主張の違いは、勝間は努力する上昇基調を世間の常識として流通させたいのであるのに対し、香山は努力しろの押し付け反対、まったりを基調にしろだと思っている。
- 作者: 勝間和代,香山リカ
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2010/01/08
- メディア: 単行本
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ま、階級関係なく、向上心を持つようにはどうすればいいのか。
試行錯誤する環境を持たせるにはどうしたらいいか、だよな。
既得権益者に若者にそういう環境を与えるために血を流す覚悟を問う人はいたっけな。
城繁幸?勝間さんも言っている気がするが、(と、トラックバックを一応送って見る、頑張ってもらいたいので)(http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/)
自分も兄貴がフリーターで、家に仕送りしているし、勝ち逃げ正社員ではないのだが、できることって何だろうか、と少し考えたのであった。