小説家という職業

小説家という職業 (集英社新書)

小説家という職業 (集英社新書)

森 博嗣って面白い視点を持っている。

おもろいところをツイッターで書き抜いていたら、ぜんぜん前に進まない。

国立大学の教授らしく、やっぱり、頭の素地が違うのだろうか。

ぜんぜん突飛なことは言ってない(はず)だが、新しい考えを聞いて、ワクワクする。

意外なもののの一例を挙げると、例えば「こんな主人公は好きになれない」という理由で作品を貶す人がいる。

これには、目から鱗が落ちた。

何だろう、小説の中に恋人でも見つけようというのだろうか。

オチがなんか私には考え付かないことなのである。一歩先を見ているとゆーか。

「仕事というのは、苦労や労働に見合った報酬を得る行為である。(略)

作家がビジネスとして成立するには、何らかの苦労を背負う必要がある。(略)

だから、「自分は楽しく小説を書き続けたい」という思いを崩せない人は読むだけ無駄である。

そういう人は、楽しみながら同人誌を作っているのが似合う。

といった感じで、出版業界を切る章もいかにビジネスとしての出版業界がズレているかが丸裸にされる。

最終章は小説の書き方で、これも実践的で、作家を目指していたら、日々実行したくなるような具体性があった。

この本は古本屋に売れないと思ったのでした。

また忘れた頃に読み返そう。