図書館危機

私は図書館シリーズの4巻が出るのがすごく待ち遠しかった過去を持つが、いざ4巻が出たときにはすっかり熱が下がっていて、肝心の内容を覚えていない。

しかし、アニマックスでアニメが面白かったので、もう1回読み直してみようと思った。

「やつらの鉄砲玉なんてのはな、あの距離で俺一人殺せん程度のやつらだ、所詮」

大体ね、と折口が泣いても美人なままの顔を上げた。

「私が一人で還暦の赤いちゃんちゃんこを着る羽目になったら面倒見てやるって言って出てッたんでしょう、あなたは!

口先だったのあれは!?」

ああー覚えていたのか。そしてその約束は有効か。玄田は思わず微笑した。

嘘ではなかったし口から出任せでもなかった、だが折口には単なる冗談口だと思ってもらっていてよかった。

それが結構読ませるんですよ。文章がめちゃくちゃ分かりやすい。

ひとコマを抽出する手が上手くて、面白かった文章に印をつけたら5箇所になった。

凡百のライトノベル作家だと展開が面白くても、いいなと思う文章、そういわれたらそうだなと納得させる文章は0だから、作家としては頭ひとつ抜けている。

テーマとしては掘り下げが少し足りないと思うが。

これを疑問に思わない世間(なのか?)は「順調な人生の人には見えないものがある」とゆうやつだ。

確かに正論だが、正義が成り立たない場合が全く頭に浮かんでいない。

その場合の存在することを考えつかないとゆうか、正義の御旗の元で思考停止しているのがなんだかな。

胸を痛めた経験がないから、悔しい思いをしたことがないからあっさり肯定できるのだ。

図書館危機 有川浩 メディアワークス 2007