シンデレラボーイ・シンデレラガール

「僕は運命を信じない運命論者だ」という橋本治

運を天に任せなかったら、「人間の考えることには限界がある」。「限界を超えると判断力に狂いが出てくるから」「罰として天はその人に石をぶつける」結果になると結構辛らつですが、その次の段が、

僕は確証がほしかった。

僕がそれをやってもいいということ。

僕がそれを、やりたいと思ってもいいということ。

僕だけじゃなくって、他の人間もそう思っているんだという確証。

しかも、そのことを僕が一生懸命説明してうなずくような人間ではなく、僕とはまったく違うところで、しかも、僕と同じようなことを考えていた人間によって、[僕もそうだよ」といわれる形で。

そんな人間は、少なくとも一人しか思い当たらなかった。(省略)

思ったけど、でも、それは僕とは全然関係ない、アカの他人だった。

劇鬱展開ですが、その後ちゃんと友達が出来て、気がついたら友達が何人かちゃんといてよかったね、であります。

こういうのは、1と0で、友達がいるかもしれない可能性を想像しても、実際にいなかったら、唯の妄想かもと、思いはぬぐえないし。

苦労した人は他人に優しくなれるかといわれたら、人の好意を知らずに与えられる人になるのは難しいような気もします。やっぱりもって生まれた器かな。

根性 橋本治 徳間文庫 1988