十二国記 落照の獄

私は死刑肯定派なのに、こういう話を読むと否定派になる。

話は今の王になってから死刑廃止になった柳国で、23人のむこの人々を殺した罪人を死刑にするのかしないのか、裁判官の話。

今、国が傾いているんですよ。ここで死刑を許せば際限なく歯止めがなくなるきっかけになるこもと、その点でも裁判官は迷う。

死刑にしない理由がないといっぱい畳み掛けられるわけですが、それはだめって思っちゃう。

はみ出した人ってやっぱりかわいそうじゃん。反省の色がなくても、終身刑くらいで手を打つってのはどうでしょう。

裁判官が理にうがちすぎって2番目の妻と不仲。始めの妻とはその点で離婚し、そしてその妻は…とゆー設定が陰影を出す。

十二国記らしいうにょうにょした道筋をたどる本。最後は人が人を裁く緊張感が出ています。

それにしても十二国記の世界はさりげに累積刑なのね。

yomyom vol.12 新潮社 平成21年9月26日発行