海がきこえるⅡアイがあるから

不倫相手が忘れたれない津村さんと、義理の母との関係が上手くいかない里伽子が、それぞれ主人公と関わって織り成す話。

私から見れば両方とも何やってるんだか、で意地っ張りなところがかわいいのか。

でも、それぞれに言い分があり、上手く回らないもどかしさがある。

そんなもどかしさを提出されても、リアルで苦労していることを物語でも再現されているようで余り面白くない。

それでいてキャラが立っていて、主人公達がこれからどうなるのか、気になって最後まで楽しんで読めた。Ⅲは出版されていないようで残念。

ビデオを撮っている友達、10年来陸上をやってきてひざの怪我で区切りをつけざるを得なかった先輩とか、脇役にいい人がいて、そのいい人具合が現実には余りいそうになく、女で疲れた身に沁みる。

ところで、

染谷はどこまでも気楽にいった。恩に着せる態度は豪もなかった。この世には心からの親切心にあふれ、押しつけがましくない人というのも、確かにいるのだ。

という文は、あこがれとして昨日の日記の冒頭に掲げたかったかも。

ちなみに新人とは、私のところに分からないことを聞きに来る関係はキープできてます。声が小さいけど。緊張してるかな?

海がきこえるⅡアイがあるから 氷室冴子 徳間書店 1995