資本主義卒業試験
[追記]一部書き直し
- 作者: 山田玲司
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/10/26
- メディア: 新書
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ちょっと射程が狭い本だった気がする。
問題は環境に優しい仕事が成り立つかということだ。
今日たまたま見たあるうちの県のミニコミ誌では、農協に出すとホウレンソウ一束10円でしか売れなく、3円の利益しか出ないと書いていた。
この本の一束50円より厳しい現実があり、エコな生活は、農家になるのはシャチョーになるのと同じで経営センスが欠かせない。
だから、最後に商社でバリバリ汚いこともしていた人がそこに行ってお手伝いするというのは分かる。
だけど、資本主義の全否定はいただけなかった。
息子 政府が決めて、一部の頭のいい人が決めてやるよりも、みんなのほうが頭がいいっていうことか。
親父 みんなの理性ではなくて、みんなの欲望で決めるのが市場なんだね。
危険思想をここで言うと、理性的と思われる投票による選挙よりも、欲望だけで決める市場のほうが賢いんだね。
「お前の1960年代を、死ぬ前にしゃべっとけ」(ポット出版)
という言葉が頭の中を回っていたこともある。
それに、ある親父が「若い子がブランドバックを持つのは似合わない」的なセリフに23の伊勢丹に勤める娘が「今の20代からは違う」と言った話を聞いたこともあるし、
- 作者: 宮台真司,石黒正数
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2011/09/17
- メディア: 単行本
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の本を読んだこともあるし、紙屋高雪さんが子育てのためにノー残業で帰宅している、みたいな貧しくても(紙屋さんが貧乏とは言ってないけど)楽しい共同体みたいなのも、あくまで資本主義に乗っている気がする。
宮台先生は、仕事で自己実現するのは一部の頭のいい子だけ的指摘をしていたのだが、この本では海外では育休(一発変換できなかった)をとった男のほうがとらない男より40代では仕事のパフォーマンスが上がるといデータ、甘言も用いて、ホームベースがなきゃ仕事をし続けることもできない、なーんておっしゃっている。
要するに、サービス残業なんて日本だけの現象で、汚い仕事で休みをとる間もない日本の男子とは違う姿が海外の資本主義の国の事例でみられるのではないだろうか。←あくまで伝聞ばかりの話だけど、、、
で、山田の本でもそれと結論は変わらなくて、敗者を必ず作る資本主義からの卒業、ほどほどで働くだったりするので、だったら資本主義を全否定しなくても、とは思う。
山田の本の「与える快楽」も宮台先生のいうところの他国では血縁主義やコーポラティズム(「格差社会と言う不幸」)が相当するのではないかとも思ったりして、乗り切れない部分もあったし、文句をたらたら言ったが、作者の熱い思いのこもった本で読んでて楽しかった。
しかし、貧乏で時間が有り余っていてもうちの兄貴なんか6時半に帰って12時までニコ動、40代未婚年収200万でパチンコが趣味とかいう話を聞くと、また、アパートの自治会長のくせに全く活動していない自分を省みると、絆コストをかけれる人は一部だけって感じで、ファイナルベントさんの英国が失敗する可能性の指摘ももっともだと思ったりもするけど。