RDG3 夏休みの過ごしかた

ファンタジーの第一要件、リアルの嫌なことを忘れさせる魅力的な世界が成立していた。

読んで、何を得るわけでもないが、現実逃避しても後ろめたさを感じさせない。

世界がとっても楽しいので、言い訳をする後ろめたさもなく、浸って当然の気分である。

素朴なようで、純朴というには、筆運びに技術がある。

王道なのだが、微妙に外していて、先読みを許さない。

オチだけ読んで、もういいかと思ってさかのぼって読むと、どうやってそういうオチになったのか、つながりが読めず、1冊全部読んでしまった。

信用はできるが、心を許してはならない神霊の描き方はファンタジーの本道、姫神様を当てにしている主人公ズはどのような形でしっぺ返しを食らうのであろうか。

いや、前巻の不穏なセリフも強調されているんだけどさ、ひっくり返しの瞬間が待ち遠しい。

社会人は、全能感が潰されて、それでも残る希望の話を読みたいのである。