人生について数字が教えてくれること

一番おおっと思ったのは、中間管理職の効能です。アメリカ大統領のような組織の一番上の人が、重要な人をすべて選ぶとどうなるのか。

人事を決めるだけで、時間がかかる。また、意思疎通の時間をひとり頭にすると何秒単位しか取れない。

中間管理職の必要性がきれいに説明できる。

このように、ざっくり数字を使うとどうなるか。のはずです。データを集めるのも難しい問題があるわけでして、「20%の社員が80%の収益を支えている」は正しいか、などは、スポーツを例に取っているが、組織は役割分担しているし、それぞれ収益を正しく出せるかというと、決定打までの積み上げは出せないでしょう。

流通していることの反論の提出としては面白いけどと、作者のなんちゃって数学を楽しむ頭の体操を真面目にあつかうさまも楽しめます。

クレジットカードの利子の話もあるが、一括払いだと利子つかないし、みたいなお説教の穴もありますし。

一番心を動かされたのは、投信の利回り7%で運用すると毎年2000ドルの積み立てをすると、40年で41万9000ドルになると言う話。45歳から同じ条件ではじめると、26万3000ドルにしかならない。

これも、設定の7%の利回りが高いとか、これまでは利回りを確保できたかもしれないがそれはこれから利回りを確保できるとか限らないみたいな感じもしますが、私も今度のボーナスからはじめてみようかな。

それだけあれば老人ホームの頭金になる、と欲の皮ツッパリ。詐欺の基本は想像させること、みたいですが。

ちなみに友達の辞書には投信と言う言葉がなかった。知らなかったのよね。少しショックでした。やはり銀行預金が堅実な人生か、と揺れる心。父がバブルで100万すったらしいし。

人生について数字が教えてくれること ジョージ・シャフナー 角川書店 2001年