冷静と情熱のあいだ Rosso

神よ、変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。

変えることのできないものについては、それを受け入れるだけの冷静さを与えたまえ。

そして変えることのできるものと、変えることのできないものとを識別する知恵を与えたまえ。

ニーバーの言葉は私のモットーです。

そうは言っても割り切りたいのに割り切れない。そこを悩むが人生だと思っています。

で、この主人公ですが、何か楽しそうじゃないので問題があるのだと思いますが、問題を問題として意識していない。

変えられること、変えられないことの区別をせず、問題設定がはっきりしていない。

これが女というやつか(偏見)ですが、どういう結論を出すか気になる江國香織ワールドを堪能しました。

別れた男が恋しいのなら、よりを戻すように努力するとか、それができないのならできないことを受け入れる等することがありそうで気になる。

失恋の痛手を忘れるのに、他の男に頼らないのなら、他の男とわざわざ関係持つ理由が分からない。

なんか鴎外の舞姫を読み終えたときを思い出してしまった。

悲恋に終わるのが文学か?結末に納得できなくて、自分が恋愛体質じゃないということがよく分かった。

別れるに決心する理由、舞姫はしがらみ、日本での面子に納得してしまったが、この主人公は割り切るきっかけが分からない。

分からないことだらけの女性心理ですが、Bluのほうはもう少し感情移入できるかな。*1

冷静と情熱のあいだ Rosso  江國香織  角川文庫 平成13年 

*1:金持ちの美男子に感情移入するのかという突っ込み不可